◇交流戦 阪神8―2オリックス(2025年6月7日 甲子園)

 1000安打に到達した近本の凄みを“相方”と“相棒”が明かした。同学年、同期入団で、1年目から「キナチカ」コンビを形成してきた木浪聖也内野手(30)は「試合中の修正力」に着目。入団以来、試合前のフリー打撃で“対戦”する小山内大和打撃投手(43)は「試合に出続けるための取り組み」を挙げた。

 近本が19年に入団して以来、試合前練習のフリー打撃で対峙(たいじ)するのが、小山内打撃投手だ。今季までのほぼ全試合で相手を務め、キャンプ、オープン戦を含めると、その投球数は数え切れない。淡々と投げ続けてきた裏方だからこそ感じる、打撃職人ならではの取り組みもあるという。

 「入団時は投球コースに応じて打っていたけど、今はコース関係なく引っ張ったり、流したり。逆に、ファウルで逃げる練習をしたり。より、試合のための練習をしている」

 試合に「出るため」と「出続けるため」とでは、やるべきことは異なる。だから近本は、今必要なことを淡々とこなすのだ。ただ、相手投手は全力で抑えにくる。自分主導の打席ばかりではない。ゲームで「好球」のみを打てる可能性は高くないから「悪球」への対応も怠らない。打撃練習でストライクゾーンを外れた球を“うまく打つこと”も意識。小山内打撃投手は「それ(ボール球)に対してのコンタクトができたのかも、確認しているのかも」と分析する。

 「(打撃中に)逆方向に打ち始めると、あえて真ん中より外へ投げたりね。“こっちのコースの球が欲しいんだろうな”とか、毎日探りながら、だね」

 打撃投手の仕事は、打者に気持ち良く打ってもらうこと――。1001、1002、1500、2000…と積み重ねるであろう安打製造機にとって、自身の繊細な準備の意図を理解し、それに応えてくれる右腕の存在は、何ものにも代えがたい。(八木 勇磨)