レアル・マドリーの会長フロレンティーノ・ペレスは、3季連続のチャンピオンズリーグタイトルを獲得した後、チームのマンネリ化を危惧した為、3億3,300万ユーロ(約395億円)を昨年夏に投じた。

しかし、マドリーのトップマネージャーによる賭けは、事実上ほぼ全てが失敗だったように思える。

及第点を与えるならば、オリンピック・リヨンから獲得したフランス人SB、フェルラン・メンディだけだろう。彼は長きに渡ってポジションを守り続けてきたマルセロから先発の座を奪っている。

しかし、ブラジル人のエデル・ミリトンやロドリゴ・ゴエス、セルビアのルカ・ヨヴィッチ、ベルギーのエデン・アザール、フランスのアルフォンス・アレオラは、ジネディーヌ・ジダンのスターティングイレブンとして地位を確立することも、彼らに投資した金額を正当化することもできていない。

■フェルラン・メンディ(公式戦22試合/1,638分:0ゴール2アシスト)

リヨンから4,800万ユーロ(約57億円)で加入したメンディは唯一の合格点か。序盤こそ怪我もあり出場機会を逃していたが、11月2日の第12節ベティス戦からスタメンを奪取。ここまで22試合に出場している。

マルセロと比べ攻撃面では劣るものの、堅実な守備でマドリーを支えている。逆サイドのダニ・カルバハルが攻撃的なだけに、バランスを取る局面での選択に間違いがなく、機を見た攻撃参加は目を見張る。欲を言えばゴールとアシストをもう少し増やしたい。

■ルカ・ヨヴィッチ(公式戦24試合/770分:2ゴール2アシスト)

レアル・マドリーの悲しみのリストは、新たなストライカーとして6,000万ユーロ(約71億円)で迎えられたヨヴィッチから始まる。セルビア人FWは、マドリーのシャツでわずか2ゴールしか記録していない。サンティアゴ・ベルナベウでの最初の1年は失望以外の何ものでもない。

ベンチの常連であるセルビア人は二次的な役割を担っており、ジダンは彼の擁護者の一人だったという事実は、どこかへ行ってしまった。

ヨヴィッチはレアル・マドリーで得点を挙げるまで2ヶ月半の時間を擁した。また彼がこれまでにマークした2つのゴールは、取るに足らないものだ。彼のスコアは、10月30日のリーガ第11節レガネス戦(5-0○)と、23節のオサスナ戦(1-4○)である。この2ゴールはいずれも後半アディショナルタイムでのものだ。

■エデル・ミリトン(公式戦13試合/992分:ゴールアシストなし)

5,000万ユーロ(約60億円)が支払われたミリトンもまた、レアル・マドリー1年目でポルト時代の輝きを見せられていない。公式戦13試合にしか起用されていないブラジル人DFには、敗者のレッテルが相応しい。ミリトンは、ジダンのチームが喫した6試合の敗戦のうち4試合に出場していることから、当然の“名声”と言える。

22歳のDFは、レアル・マドリーの直近10試合で2試合しかプレーしていない。にも関わらず、ミリトンがサイドバックを努めた直近のベティスとのリーグ戦は2-1で敗れ、コパ・デル・レイのレアル・ソシエダ戦でも失点に関与して3-4で敗退している。
ブラジル人はベンチで24試合、2試合をスタンドから眺めているが、彼の出場はマドリーの敗戦を意味する。

■エデン・アザール(公式戦15試合/1,124分:1ゴール5アシスト)

アザールにとって不甲斐ないものだが、最も大きな問題は、彼の身体的な脆弱さである。ベルギー代表FWは、チーム・ブランコで3度負傷し、クラブが投資した1億ユーロ(約120億円)を無益化している。アザールはチームの新たなシンボルとしてベルナベウに降り立ったが、彼はこれまで15試合で1ゴールしか貢献できていない。

すでに29歳となったベルギー代表選手は、過去3ヶ月半で2ゲームしかプレーできず、彼の唯一のゴールは、10月5日のリーガ第8節グラナダ戦(4-2○)だけである。アザールは3月5日に右足腓骨の骨折により手術を受け、5月上旬または6月上旬まで離脱する。マドリーでの1stシーズンは終了といえる。

■ロドリゴ・ゴエス(公式戦18試合/1,010分:7ゴール2アシスト)

ロドリゴは序盤3節を怪我で出遅れたものの、その後のスタートは多くのマドリディスタを喜ばせた。19歳のブラジル人は他の誰よりも早く、真のスターだと持ち上げられた。がしかし、数ヶ月が過ぎた今、物事が大きく変化している。

ロドリゴは責任が取れないほどに若く、未熟である。フロレンティーノ・ペレスが彼に支払った4,500万ユーロ(約54億円)は、彼の肩に重く圧し掛かっている。
ジダンがロドリゴに多くの機会を与えた後、彼は18試合で7ゴール2アシストという記録を誇っているが、ロドリゴ効果は次第に薄れていった。

■アレフォンス・アレオラ(公式戦8試合/674分)

パリ・サンジェルマンから1年間のローンで加入したアレオラは、当初ティボー・クルトワと高いレベルで正守護神争いを演じると思われた。しかし、蓋を開けてみれば完全にカップ戦要員となった。出場したのはコパ・デル・レイの3試合とリーガ3試合、チャンピオンズリーグ2試合(1試合はクルトワの体調不良を受けて後半から)のみである。出場機会の少なさからユーロ2020のフランス代表入りすら危ぶまれる事態だ。