FCバルセロナを取り巻く最も激しい議論の一つは、アントワーヌ・グリーズマンを中心に展開されている。フランス人ストライカーは1億2000万ユーロ(約145億円)の契約に応えられず、疑問の声が上がり始めている。

セルタとアトレティコ・マドリーの直近2試合ではベンチを暖めており、プレー時間も少なくなっている。ビーゴでは9分、アトレティコとのカンプ・ノウでの一戦は後半アディショアルタイムのみの出場となっている。

グリーズマンの数字は期待通りには行っていない。公式戦43試合を終えて14得点4アシスト。1試合あたりの平均は0.32ゴールである。これでは1億2000万ユーロの投資は無駄だったと言わざるを得ない。しかし、さらに心配なのはグリーズマンのダイナミックさである。

加入後公式戦2試合目のベティス戦で2ゴール1アシストを記録したとはいえ、FCバルセロナに馴染むのは簡単なことではなかった。献身的なプレスバックは評価されたものの、断続的な得点力はクレを納得させず、何よりもメッシやスアレスの隣で理想的な場所を見つけられていない。それは左ウイングでもセンターフォワードでも同じことが言える。

アトレティコでは彼を中心としたチームが作り上げられたが、バルセロナではメッシがいる。メッシを生かせなければ、または生かされなければバルセロナでは生き残れない。メッシとホットラインを作るのは、スアレスとのゴール前のコンビネーションとジョルディ・アルバとの阿吽の呼吸である。グリーズマンとは波長が合わないのか、彼が動き出してもメッシからボールが出てくる回数は少ない。

エルネスト・バルベルデをベンチに置いたシーズン序盤から中盤でのグリースマンの数字上の貢献は25試合で9ゴール、1試合平均は0.36点だった。キケ・セティエンに変更後は18試合で5ゴールを記録し、1試合平均は0.27となっている。

グリーズマンは、2月15日にヘタフェに2-1で勝利して以来、ラ・リーガでは得点していない。リーガでは8ゴール4アシストに留まっている。グリーズマンは前節のアトレティコ・マドリー戦では戦術的な変更による大きな犠牲を払った。

バルサは4-4-2をボードに置き、この変更の理由を聞かれた監督は、セビージャ戦、アスレティック戦、セルタ戦での苦境を経て、「違うことをしなければならない」と説明した。セティエンは攻撃の軸にスアレスがいて、メッシとリキ・プッチがいれば十分だと考えた。

さらにグリーズマンのプライドを傷つけたのはその後のアクションである。3ポイントが必須だったにもかかわらず、監督は63分にラキティッチを代えてセルジ・ロベルトを中盤に置き、85分のはブスケツを下げてアンス・ファティを左サイドに置いて奥行きを与えた。フランス代表のストライカーは90分にフィールドに送り出されたが、与えられた時間はアディショナルタイムの4分。これではノーチャンスもいいところだ。

グリーズマンは先発として37試合に出場している。内訳は左ウイング26試合、センターフォワード9試合、右ウイング2試合である。ラ・リーガ再開以来、6試合(540分)のうち出場したのは234分のみである。彼のチーム内での序列は目に見えて落ちている。

近年のFCバルセロナはメッシへの依存が顕著で、良くも悪くもメッシの出来に左右されている。グリーズマンとの関係性にも多くの憶測が飛び交っているが、彼がバルサで生き残っていくにはメッシとの関係構築が不可欠となる。