13億ユーロ(約1600億円)という巨額な投資により歓喜に限りなく近づいたパリ・サンジェルマンだったが、その悲願は叶わずに終わった。

2011年5月からPSGにはナセル・アル=ケライフィというオーナーと共にカタール資本の巨額投資がされている。同氏はクラブの会長になり、リーグ・アンでは、もはや敵なしの存在となっているが、チャンピオンズリーグ制覇という夢は未だに実現できていない。

就任直後からチームの改革に取り掛かり、最初の夏の移籍マーケットから忙しく動き出した。まずは4,200万ユーロ(約52億円)でハビエル・パストーレを獲得。長年中位に甘んじていたクラブ(前年は4位)は2位で終えて、9季ぶりにチャンピオンズリーグ出場権を獲得した。

■チャンピオンズリーグ挑戦の軌跡
ナセル・アル=ケライフィ会長就任2年目の夏の移籍マーケットでは、ズラタン・イブラヒモビッチ、デイビッド・ベッカム、チアゴ・シウバ、エセキエル・ラベッシ、マルコ・ヴェッラッティを獲得。しかし、この時からチャンピオンズリーグ準々決勝という想像以上に高い壁にぶつかる。

FCバルセロナに始まり、チェルシー、再びバルサ、マンチェスター・シティと準々決勝での敗退が続く。そして翌年の2016-2017シーズン、当時の監督ウナイ・エメリ率いるPSGは、ルイス・エンリケ率いるバルサにホームでの1stレグを4−0で勝利したにもかかわらず、敵地カンプ・ノウでの2ndレグを6−1で敗れ、奇跡の大逆転を起こしたバルサの咬ませ犬となり、ベスト16での敗退という大失態を犯した。

2017年夏、アル=ケライフィは潤沢な資金を活かして、2億2,200万ユーロ(約277億円)でネイマールを、1億8,000万ユーロ(約224億円)でキリアン・エムバペを獲得。この2人のスーパースターと共にチャンピオンズリーグ制覇に挑むが、期待通りに事は進まないは。

2人が加入してからの最初のシーズンは、ネイマールが負傷欠場となりレアル・マドリーに敗れる。その翌シーズンも同じくネイマールを欠いたチームはマンチェスター・ユナイテッドに敗れた。それまでは準々決勝での敗退が続いていたが、3シーズン連続でラウンド16敗退となった。

迎えた今季、ネイマールと共に挑んだ初めてのチャンピオンズリーグ決勝ラウンドでは、3シーズン連続ラウンド16敗退という不名誉な記録に終止符を打ち、クラブ史上初となる決勝に駒を進めた。

しかし、今回もチャンピオンズリーグ制覇という夢は、バイエルン・ミュンヘンを前に打ち破られた。ナセル・アル=ケライフィ会長は再び苦い経験を味わった。それでも、潤沢な資金で強化を図る方向性が、良いか悪いかは別として、彼とPSGの悲願達成までには確実に近づいている。