2020/21シーズンのチーム編成がまだ決まっていないFCバルセロナは多くのストライカーを抱えているが、ロナルド・クーマンがレオ・メッシを中心にチームを構築することは明白だ。

バルサはクーマンの期待に応えられるようなチーム作りを目指しており、チャンピオンズリーグでのバイエルン・ミュンヘン戦での惨敗という悲惨な思いを一日も早く払拭したい。

オランダ人指揮官の仕事は少なくない。良いサイクルを生み出すためにチームの規則から改革している。トレーニング開始の1時間前にはシウタ・エスパルティバに到着していること、もちろん遅刻は禁止である。練習時間もこれまでの1時間弱から、1時間半から2時間に延ばしている。

クーマンから構想外を通告された功労者の一人であるイヴァン・ラキティッチがクラブを去った。さらにルイス・スアレスやアルトゥーロ・ビダルといった高給のベテランにも構想外を伝えており移籍を促している。

新指揮官が彼らベテランに移籍を求める背景にはバルサの前線が“オーバーブッキング”状態にあることも一理ある。バルセロナの前線には今のところ8選手が顔を揃えている。

クーマンは1シーズンあたり平均40ゴールを記録するレオ・メッシを中心に、アントワーヌ・グリーズマン、アンス・ファティ、そしてウスマン・デンベレをレギュラー選手とする構想を描いている。

グリーズマンの最初のシーズンは15ゴールと期待値を超えるような出来ではなかったものの、新監督は彼を信頼しており、それ以上の活躍ができると確信している。17歳のスペイン人選手に関しては明らかな将来性に加えて昨年の8ゴールを超えることが期待されている。

1992年ウェンブリーの英雄は、デンベレがベストであればバルセロナの先発を張るだけのクオリティを有していると認めている。加入後から続く負傷癖が治れば右サイドの本命となるだろう。

5人目のマルティン・ブライトバイテは難しい移籍市場で声が掛からない場合でもブラウグラナで生き続けることを決意している。

そして、今シーズンは新たに3人のアタッカーが加わる。いずれもウイングやトップ下で際立つ明確なスタイルを持っている。

バイエルン・ミュンヘンでの経験を経て復帰したフィリペ・コウチーニョにはセカンドチャンスが与えられる。ブラジル人MFはバイエルンでブンデスリーガ、DFBポカール、チャンピオンズリーグの3冠を獲得、11ゴール11アシストを記録した。

プリメイラ・リーガで頭角を現した20歳のフランスシコ・トリンカオとUDラス・パルマスで主役を担った17歳のペドリ・ゴンサレスのケースは将来の賭けといえる。クーマンはファーストチームで地位を与えると思われるが、彼らにプレッシャーをかけるのではなくベストを出せるようにサポートしていく必要がある。

■2019/20シーズンの成績
レオ・メッシ:31ゴール26アシスト/44試合
アントワーヌ・グリーズマン:15ゴール4アシスト/48試合
アンス・ファティ:8ゴール1アシスト/33試合
マルティン・ブライトバイテ:9ゴール1アシスト/38試合
ウスマン・デンベレ:1ゴール/9試合
フィリペ・コウチーニョ:11ゴール11アシスト/38試合
ペドリ・ゴンサレス:4ゴール7アシスト/37試合(ラス・パルマス)
フランシスコ・トリンカオ:9ゴール13アシスト/40試合(ブラガ)

そして、ルイス・スアレスのバルサでのキャリアは残りわずかと言える。33歳のウルグアイ人はユヴェントスへの移籍が近づいており、、ブラウグラナの技術部門は過去6シーズンで非常に高い貢献度を誇った“ピストレロ”に代わるセンターフォワードを見つけたいと考えている。

バルサは中長期的に将来を保証するスコアラーの獲得を優先している。インテルのアルゼンチン人FWラウタロ・マルティネスを最優先に考えながら、オリンピック・リヨンのオランダ人FWメンフィス・デパイを代替案として追っている。

移籍市場がひっ迫していることを考えると、どちらの選択肢も実現は容易ではない。ラウタロの場合、インテルからの要求は非常に高く8,500万ユーロ(約107億円)が必要になり、2,500万ユーロ(約31億円4,200万円)が必要となるデパイの場合はジャン・ミシェル・オラス会長とのタフな交渉が展開されている。

■ファーストチョイス
ラウタロはバルサが求める若さ(23歳)とストライカーとしての能力を完璧に備えており、加えてエリアから離れた場面でもチームに貢献できるセンターフォワードだ。メッシとのプレーもアルゼンチン代表で経験しているため、その点はメリットとなる。昨季のインテルでは49試合で21ゴール7アシストを記録しており、さらなるパフォーマンスの向上が期待される。

■より高い汎用性
デパイはセンターフォワードとしてはもちろんのこと、左サイド、あるいはトップ下としてもプレーできる。数週間前までオランダ代表で指揮を執っていたクーマンが監督であることから、サッカーを理解している点で言うとデパイの方が上だ。26歳のリヨンのキャプテンは、2019年12月に左膝の十字靭帯損傷を乗り越えた。チャンピオンズリーグのバイエルン戦では好パフォーマンスを披露し、リーグ・アンの開幕戦でも2つのPKを含むハットトリックを達成、今週は代表チームでの2試合でもセンターフォワードとして先発フル出場している。

どちらを獲得するにせよ経済的な支出は避けられない。ラウタロの契約は2023年までだが、メンフィスの契約は2021年で切れる。いずれにしても、FCバルセロナは攻撃を完成させるためのセンターフォワードの獲得で10月5日までの市場を締めくくることになるだろう。