フィリペ・コウチーニョのFCバルセロナでの経験は苦い記憶として刻まれるだろう。固定額1億2,000万ユーロ(約155億3,000万円)+ボーナス4,000万ユーロ(約52億円)のクラブ史上最高額の契約は、同選手にとって大きすぎる足枷となった。

コウチーニョ獲得時の契約内容、バルサ リヴァプールと“不可侵条約”が明らかに

1億6,000万ユーロ(約200億円)の出資を取り返すことはできないが、バルサはコウチーニョの売却に動いている。最も好都合なのは今夏の移籍である。契約は2023年までだが、クラブは現在の状況で現金を作ることの難しさを認識している。

まず第一にコウチーニョが半月板損傷からの回復途上で小さな合併症を起こしてしまったことだ。当初の予定では4月中の復帰を予定していたが、復帰時期は未定で、クラブからはブラジルへの帰国が発表された。また、バルサでの100試合出場まであと10試合となっており、この記録を達成した場合、バルサはリヴァプールに2.000万ユーロ(約26億円)の支払いが発生する。

さらに2つの側面が彼の出発を複雑にしている。一つ目は、パンデミックによる経済的影響である。コウチーニョの市場価格は4,000万ユーロ(約52億円)で、1,350万ユーロ(約17億5,000万円)の年俸を支払えるのは数少ないトップレベルのクラブのみだ。怪我の多さに加えて、高額な金銭的条件が入札可能なクラブの数をさらに減らしている。

昨シーズンはバイエルン・ミュンヘンで公式戦38試合に出場し、11ゴール9アシストと一定の成果を残したが、経済的可能性を秘めたバイエルンでさえ、1億2,000万ユーロ(約155億円)の買取オプションを行使することはなかった。同選手は昨夏、プレミアリーグへのレンタル移籍を模索する形でバルセロナに戻ったが、ロナルド・クーマン監督に引き留められる形でバルサに残って成功を目指すことになった。

■期待のスタート
コウチーニョはその挑戦を受け入れ、スターターとしてシーズンをスタートさせた。クーマンはトレーニングでの働きとピッチ上でのパフォーマンスを真っ先に称賛した。コウチーニョ自身も、精神的に強くなり、挑戦する準備ができたと認めている。彼の強い気持ちはピッチ上でも表現され、最高のスタートを切った。

しかし、クーマンが試行錯誤を繰り返す間にパフォーマンスは希薄になり、コウチーニョはプレイメーカーのポジションから離れていった。そして、半月板の大怪我を負ってしまった。この挫折がペドリの成長を促し、ウスマン・デンベレの出場時間を増やすことになった。現在のシステムである3-5-2は、コウチーニョが復帰したときの出場機会をも奪うだろう。

アスルグラナのドレッシングルームでは、誰もがこのサッカー選手がいかに愛されているかを強調しているが、リヴァプールを離れてからスター性を失った選手の居場所がなくなってきているにも事実である。