プレシーズンの様子を見ていると、大迫勇也(ケルン)のコンディションは上々という以外のなにものでもないようだ。今季の目標を聞くと、ズバリこう答えた。

「もちろん2桁得点。取らないと、ですよね。狙っていきます」

 大迫がここまで明快に目標を言い切ったことがあっただろうか。


練習試合にフル出場、好調ぶりがうかがえる大迫勇也(ケルン)

 昨季はリーグ戦30試合に出場して7得点。シーズンの前半はFWでの起用が続いた。意識的に引いて守備をしないことで、チームメイトにFWとしての存在感を印象づけていったことが功を奏した。だが、中盤にケガ人が続出するとポジションは下がり、ボランチを任されることもあった。

 ペーター・シュテーガー監督はシーズン中、そんな大迫のセンスのよさや器用な働きぶりについてたびたび言及した。大迫自身も「このポジションならやらない、とか言っていても始まらない」と割り切ってチームに貢献。さらに信頼は増していった。

 大迫はFWとして出場するにしても「あくまで2トップで。1トップをやるなら、モデストにはかなわない」と言う。大迫は大柄でフィジカルの強いストライカータイプのアントニー・モデストへのリスペクトを常に口にしていた。昨季のチーム内得点王はそのモデストで、34試合25得点だった。

 だが、そのモデストは紆余曲折の末に天津(中国)へと移籍してしまい、後釜にはマインツで武藤嘉紀とコンビを組んでいたジョン・コルドバが加入した。大迫は今季、そのコルドバと2トップを組むことになるだろう。

 1次キャンプを終え、ケルンに戻ってきて2試合行なわれた練習試合では、まだコルドバとのコンビネーションを試すには至っていない。最初のKFCウアディンゲン戦に大迫はフル出場。疲れを見せることなく走り回った。決めることはできなかったが、惜しいシュートも放ち、笑顔で引き上げてきた。

「今シーズン初めての試合だったし、ずっと激しいトレーニングをしている中で、悪くなかったんじゃないですか?」

 内容を気にする必要がないというのには理由がある。

「まだチームとしても身体づくりの段階なので。ずっと2部練習をしているし、走り込みもしているので、こんなもんかなと。動き出しはまだ少ないですけど、自然と出てくるものなので、ポジティブに考えています。メンバーも主力とサブがまだミックスしてる状態ですからね。意思疎通、ボール回しもスムーズじゃないので、見るところも全然違う。大変ですけど、しっかり出るべき選手が出れば、大丈夫だと思います」

「コルドバと早くやってみたいです。やってみないとわからない。ただ後ろの選手は僕のことをわかってくれる選手が多いので、ゴール前に入ってゴールをどんどん狙っていきたいです」

 今季、ヨーロッパリーグ(EL)も控えるケルンでは、持久力、スタミナを重視したトレーニングを行なっている。大迫が言うように、2部練習や走り込みを例年よりも増やした。その2日後に行なわれたブラウンシュバイク戦では、大迫はベンチ入りしたものの出場はなかった。

「ずいぶん前から出ないと決まっていたんです。監督は平等性が大事だと言っていて」

 各選手が平等に90分間のプレーを経験するという調整方法をとっていると、シュテーガー監督は選手たちに説明したという。そしてこの試合をベンチで眺めた大迫は、この日フル出場したコルドバに好印象を受けていた。

「結構面白そうですけどね、コルドバ。意外と動く量があったし。(モデストとの関係とは)違いますよね。彼は起点も作れそうだから、僕ももうちょっと前にいけるかな。そこはやりながらですけど、新鮮な感じで楽しみです」

 ELといえば、チャンピオンズリーグに比べて遠方への移動も多く、特に小規模クラブの場合、その過密日程によりリーグ戦にしわ寄せが来ることはままある。そこに日本代表の試合が加われば、身体的な負担は相当なものだ。だが、大迫は楽観視している。

「(大変なのは)移動だけですよね。でも、チームがスムーズにすると言ってくれている。代表も、8月でしっかり終われば、大変なこともないと思う。今は楽しみですね。しんどいという捉え方よりも、ポジティブです」

 笑顔で前向きに話す様子からは余裕すらうかがえる。今季はこれまで以上にハンパない大迫にお目にかかれるかもしれない。

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