今週末7月30日に新潟で行われるGIIIアイビスサマーダッシュは、3歳以上による重賞競走。JRAで唯一の芝1000m重賞であり、唯一の直線コースでの重賞だ。今回はこのレースを主に血統的アプローチで予想してみたい。

 今年ここまでも含めた過去約5年のJRA芝1000〜1200mの勝利数ベスト5はサクラバクシンオー、アドマイヤムーン、ダイワメジャー、キングカメハメハ、ディープインパクトの順となるが、新潟芝1000mに限るとかなり傾向が異なってくる。1、2位のサクラバクシンオー、アドマイヤムーンは変わらないが、3位にはヨハネスブルグがJRA芝1000〜1200mの7位から浮上。勝率17.2%、連対率41.4%は1位のサクラバクシンオー(勝率8.4%、連対率14.3%)を遙かに上回る好成績だ。その他、マイネルラヴ、キンシャサノキセキ、クロフネ、ショウナンカンプなどが、このコースで成績を上げている。

 そんなヨハネスブルグを父に持つのがネロ(牡6歳/栗東・森秀行厩舎)。昨年の2着馬であり、新潟芝1000mでは5戦して2勝、2着3回と安定した成績を残している。昨年のGIII京阪杯(2016年11月27日/京都・芝1200m)を4馬身差で圧勝し、実績十分なので斤量は58kgとメンバー中最も重いが、同コースで行なわれた昨年の韋駄天Sは57.5kgを背負って0秒2差の2着に入っている。58kgもこなせそうだ。

 マイネルラヴ産駒からはブライトチェリー(牝7歳/美浦・菊川正達厩舎)がスタンバイ。新潟・芝1000mでは11戦して2勝を挙げている。しかし、2015年5月以来、勝利から遠ざかっており、今年でもう7歳。今年に入ってからも7着、7着といいところがなく、ここに来ての一変は難しそうだ。

 キンシャサノキセキ産駒からはアースエンジェル(牝5歳/美浦・田中剛厩舎)が登録。全12戦中8戦が新潟・芝1000mで、3勝、2着1回という成績を残している。ただ、まだ準オープンクラスの馬で、1000万下までしか勝利のない格下馬。いきなりの重賞で好走は厳しそうだ。

 ナリタスターワン(牡5歳/栗東・高橋亮厩舎)はショウナンカンプ(その父サクラバクシンオー)産駒。ショウナンカンプ産駒は芝1000〜1200mだと36位の勝利数だが、新潟・芝1000mに限ると9位の好成績。勝率8.6%、連対率17.1%と、1000〜1200mの5.2%、14.3%から大幅に成績がアップしている。本馬は前走のGIII CBC賞(7月2日/中京・芝1200m)では6着ながら勝ち馬と0秒3差とまずまずの走りを見せた。新潟コースは初めてとなるが血統的に見逃せない。

 今年はこのレースとしては13年ぶりにサクラバクシンオー産駒が不在となるが、同馬に次ぐ好成績を収めているアドマイヤムーン産駒はプレイズエターナル(牡7歳/栗東・安田隆行厩舎)が出走予定。今年5月の駿風S(5月6日/新潟・芝1000m)の勝ち馬だ。前走の韋駄天S(5月21日/新潟・芝1000m)は6着と敗れたが、スタートダッシュが鈍かったのが致命的で、五分に出られれば好走は可能だろう。

 その韋駄天Sを快勝し、人気を集めそうなフィドゥーシア(牝5歳/栗東・松元茂樹厩舎)の父は米国に繋養されているメダグリアドーロ。この父の産駒は日本ではダート中距離タイプが多く、芝短距離のフィドゥーシアは異端的な存在だ。フィドゥーシアが芝のスプリンターに出たのは明らかに母系の血の影響で、母ビリーヴは新潟・芝1200mで行われたGIスプリンターズS、中京・芝1200mのGI高松宮記念を制し、最優秀4歳以上牝馬に選ばれた名スプリンターという血統だ。5歳を迎えてオープン特別を2連勝と本格化を迎えた感があり、母仔2代の重賞制覇といきたい。

 以上、6頭を挙げたが、ネロ、プレイズエターナル、フィドゥーシアといった人気どころに不安要素は少なく、好走の可能性は高そうだ。血統的穴馬としてはナリタスターワンを挙げておきたい。