夏の新潟シリーズ注目の、3歳馬のダート重賞GIIIレパードS(ダート1800m)が8月6日に行なわれる。

 2009年に重賞として創設されて以降、このレースの勝ち馬からはトランセンド、ホッコータルマエといった、のちのGI馬が次々と送り出されている。昨年2着のケイティブレイブも、今年の地方交流GI帝王賞(大井・ダート2000m)を快勝するなど”出世レース”としての色合いが強い。

 それだけレベルの高いメンバーが集まることもあってか、さすが人気馬は安定した力を発揮している。過去8回の結果を振り返ってみると、1番人気は5勝、2着1回、3着2回、着外ゼロと、すべて馬券圏内に絡んで大崩れすることはない。

 そして今年、その1番人気に目されているのは、国内のダート戦では4戦4勝と無敗のエピカリス(牡3歳/父ゴールドアリュール)。3月のドバイ遠征ではGII UAEダービー(メイダン・ダート1900m)に出走。アタマ差の2着に敗れながらも、その能力は世界レベルであることを存分に見せつけた。

 その後、6月にはアメリカ三冠レースのひとつ、GIベルモントS(ベルモントパーク・ダート2400m)に挑戦。しかし、レース直前に右前脚のハ行を発症して、無念の回避となってしまった。

 今回は、それ以来のレースとなるが、はたしてその仕上がり具合はどうなのか。デイリースポーツの豊島俊介記者は、こう分析する。

「ベルモントSは、現地主催者の判断で出走取り消しとなりました。出走しようと思えば、出走できる状態だったようで、回復に手間取ることはないと思います。それに、管理する萩原清調教師は馬を大事にして、慎重に(馬の)状態を見極めるタイプのトレーナー。GIならいざ知らず、夏のGIII戦ですからね、何か不安があれば、出走してこないでしょう。

 言い換えれば、力を発揮できる仕上がりで、なおかつ恥しい競馬をしない自信があるからこそ、使ってきたと判断できます。穴党であっても、対抗より下には下げられない、というのが正直なところです」

 これには、デイリー馬三郎・関東の木村拓人記者も同意する。

「アメリカ遠征は、何もしないで帰ってきたようなもの。ダメージと言えば、輸送の疲れくらいですから、実績からして(エピカリスには)ここでは逆らいようがないですね。”荒れる”とすれば、順番違いか、盲点の馬が突っ込んでくるパターンでしょうか」

 穴党記者からも一目置かれるエピカリス。断然の1番人気になることは必至で、過去の実績からも大崩れはなさそうだ。が、穴馬の出番はまったくないのか、と聞けば、「ゼロではない」と穴党記者たちは口をそろえる。

 もし波乱を起こす馬がいるとしたら、どんなタイプなのか。デイリー馬三郎・関西の吉田順一記者はこう語る。

「(レパードSは)格付けが準オープン以上の馬しか勝てないハイレベルな一戦。しかも、今年はフルゲート(15頭)で行なわれます。ある程度、前に比重のかかる流れになりやすく、消耗戦になりそう。(狙いは)まずは前走が1600m戦以上、というのが必須条件になるのではないでしょうか」

 そして吉田記者は、ある馬をエピカリスよりも評価し、上位に推してきた。

「舞台設定と脚質、ローテーションと戦績を考慮すれば、本命候補はテンザワールド(牡3歳/父ダイワメジャー)です。短距離に対応するスピードがあって、デビューから4戦は1200m〜1400m戦を使われていましたが、5戦目からは中距離戦に矛先を向けて、2着、1着、1着。今の勢いなら、3連勝で重要ウイナーになる可能性は十分にあります。

 今回、ここ3戦で手綱を取っていた和田竜二騎手は乗れませんが、それは同日開催のGIII小倉記念に出走するバンドワゴンに先約があったため。その和田騎手が『3歳馬同士の戦いなら(テンザワールドは)勝ち負けやね』とコメントし、後ろ髪を引かれている様子でした。”打倒エピカリス”の一番手であることは間違いないでしょう」

 エピカリスの強さを認める豊島記者も、一発の可能性を秘める馬として1頭の名前を挙げた。初のダート戦に挑むイブキ(牡3歳/父ルーラーシップ)である。

「イブキの父はルーラーシップ。現役時代は芝で実績を残していますが、種牡馬としてはダートでも好成績を残しており、この舞台替わり(芝→ダート)は”吉”と出る可能性が十分にあります。イブキ自身、芝の重賞戦線で奮闘してきたように、持って生まれた能力はかなり高く、エピカリスに肉薄しても驚けないでしょう」

 木村記者も”荒れる”場合を想定して、1頭の伏兵馬を推奨。ローズプリンスダム(牡3歳/父ロージズインメイ)だ。前走の地方交流GIジャパンダートダービー(7月12日/大井・ダート2000m)敗戦(8着)からの巻き返しに期待する。

「まず、新潟のダート1800mは先行力がある馬から入るのが定石。さらにこのレースでは、昨年3着のレガーロや2014年に3着に入ったランウェイワルツように、実績がありながら、なぜか人気を落としている馬が激走することが多々あります。ハルクンノテソーロ(牡3歳/父ファスリエフ)も同じような実績馬ですが、同馬は距離に疑問符がつきます。

 そこで、前々走の鳳雛(ほうすう)S(5月21日/京都・ダート1800m)を勝っているローズプリンスダムを、エピカリスの相手筆頭に挙げたいと思います。前走も厳しい流れの中で、果敢に攻めて4コーナーでは先頭に立ちました。その経験が生かされれば、ここで通用しても何ら不思議はありません」

 鳳雛Sでは、のちにGIIIユニコーンS(6月18日/東京・ダート1600m)を制したサンライズノヴァも下しているローズプリンスダム。このときも、10番人気での激走だった。大波乱の再現となるのか、注目である。

 3歳馬による真夏のダート決戦。今年も、未来のGI馬となり得る素質馬がズラリと顔をそろえたハイレベルな一戦を見逃してはいけない。