厳選! 2歳馬情報局(2017年版)
第31回:カザン

 これまでに数多くの素質馬がデビューしてきた今年の新馬戦。年明け早々にも、この世代で注目を集める”高額馬”が登場する。

 栗東トレセン(滋賀県)の池江泰寿厩舎に所属するカザン(牡2歳/父ディープインパクト)である。

 その存在を一気に知らしめることになったのは、2016年夏。日本最大級の規模を誇る競走馬のセリ市「セレクトセール」において、2億3500万円という高値で落札されたのだ。

 この年の1歳馬としては上から2番目の金額で、当歳(0歳)のセクションと合わせても5番目の高値だった。

 もちろん、それだけの評価を受けるのには理由がある。

 まず母のシャンパンドーロは、現役時代にアメリカで活躍。GIタイトルをふたつ獲得した名牝なのである。

 さらに、シャンパンドーロの半弟もアメリカのGI勝ち馬で、近親にも成功を収めた馬がたくさんいる。そんな良血馬が、日本屈指の種牡馬ディープインパクトと配合して生まれた子である。とすれば、そうした高額で取引されるのも頷ける。

 また、ここに来てカザンへの関心が一層高まっているのは、母となったシャンパンドーロの産駒が、日本で注目に値する活躍を見せているからだ。ひとつ上の兄フォギーナイト(牡3歳/父タピット)である。



カザンの兄フォギーナイトはダート路線で4戦3勝

 同馬は昨年11月のデビュー以来、わずか4戦しかしていないものの、そのうち3戦で勝利。現在は1600万下の条件馬だが、まだ底を見せておらず、来年にはオープンクラスで活躍する可能性を大いに秘めている。

 アメリカのトップ種牡馬であるタピットを父に持つフォギーナイト。そのため、同馬はダート戦中心に使われているが、ディープインパクト産駒であるカザンは、当然芝での活躍が見込まれている。

 そのカザンのデビュー戦は、1月6日の3歳新馬(京都・芝2000m)。鞍上は、武豊騎手の予定だ。

 すでにそのコンビで調教を積んでおり、武豊騎手は好感触を得ているという。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「実際にカザンに騎乗して調教を行なった武豊騎手は、『いい雰囲気を持っていて走りそう』とコメントしていました。その口ぶりから、ある程度の手応えはつかんでいると思います。管理する池江厩舎には活躍馬が多数在籍していますが、その中でも一定のレベルにはあるのではないでしょうか」

 武豊騎手はもちろんのこと、池江厩舎も今やクラシックの常連。デビューは1月と遅くなったが、無論、目指すは来春のその舞台である。

 現に、陣営からはそこを意識した言葉が出ているという。先述のトラックマンが続ける。

「(カザンは)胴がゆったりしていて、首の長い体型。さらに走る際の跳びも大きく、陣営のスタッフからは『クラシックの距離が合いそう』との話が聞かれました。調教も順調で好仕上がり。新馬戦からいい勝負ができるのではないでしょうか」

 年明け早々にデビューを迎えるカザン。騎手やスタッフからも歯切れのいいコメントが聞かれるのは好材料だ。はたして、2億3500万円で取引されたエリートは初陣でどんな走りを見せてくれるのか、必見である。

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