片岡篤史が語るYouTubeと今季のプロ野球 前編

 PL学園時代に甲子園史上4校目となる春夏連覇を達成し、日本ハム、阪神で活躍した片岡篤史。2006年に現役を引退してからは解説者として活動しながら、2019年10月に自身のYouTubeチャンネル『片岡篤史チャンネル』を開設した。プロ野球はもちろん、高校野球やPL学園など幅広いテーマと巧妙なトークが人気を博し、チャンネル登録者数は24.7万人(4月9日現在)に達している。

 今年、その片岡チャンネルに変化があった。1月26日に、"野球通"の美女・吉田恵美がアシスタントに就任したのだ。『non-no』(集英社)の専属読者モデルでもある吉田だが、ファンである西武を中心とした深い野球知識、片岡との軽快なやりとりで注目度を上げている。今回はその吉田がインタビュアーとなり、片岡のYouTubeチャンネルについてトークした。


YouTubeチャンネルが人気の片岡篤史(左)とアシスタントの吉田恵美(右)

吉田恵美(以下:吉田) 普段は動画でいろんなお話をさせていただいていますが、インタビューという形は初めてですね(笑)。

片岡篤史(以下:片岡) ほんまやね。照れるな。あらためてこんなんして話すのは、なんかおかしいわ(笑)。

吉田 では、あらためて。YouTubeチャンネルを始めようと思ったきっかけから教えてください。

片岡 よく聞かれるんですけど、2019年(9月7日)に高木豊さんのYouTubeチャンネルに出させていただいたのがきっかけです。その時にご飯を食べたり、ちょっと飲んだりしながらリラックスして喋っていたんですが、それを見た現場のスタッフの方々に「絶対にYouTube向きですよ」と言われたんです。

 当時は「こんなオッサンがYouTubeなんてできるかい!」って感じやったけどね。でも、新しいことに挑戦するという意味でもいいかなと思って始めたら、今ではどっぷりハマってます(笑)

吉田 YouTubeのよさをどこに感じていますか?

片岡 自分でいろいろ考えてできることかな。テレビとは全然違って、よく言えば『お手軽にできる』。逆に自分で責任を持たなきゃいけないっていうのはあるよね。動画の再生回数、チャンネルの登録者数、発する言葉も。チャンネルを始めるまでは取材される"受け身"なことが多かったけど、自分から発信することのやりやすさ、難しさを両方感じるね。

吉田 私がアシスタントとして出演させていただいてから2カ月以上経ちますが、どんな印象をお持ちですか?

片岡 (プロ野球で例えるなら)ドラフト4位で入団してきて、2カ月間のオープン戦に出場して、今ではもう阪神の佐藤(輝明)ばりの活躍をしとるんちゃうかな(笑)。

 最近のチャンネルのコメントが、吉田さんに関するコメントばっかりになっていて、オレに関するコメントが少ないことは気になってるけど(笑)。ただ、こんなに野球トークについてこれる女子はいませんよ。それはオレにとってもすごくありがたいし、吉田さんもこうしたこと(チャンネルへの出演)が、少しでも将来の夢へのプラスになればいいなと思うよ。

吉田 ありがとうございます! ちなみに、私が参加してから変わったと思うことはありますか?

片岡 それは、いつも男(スタッフ)と喋っていた時より、吉田さんと喋っているほうがチャンネルが明るくなったよね(笑)。逆にオレの印象はどう? 本当のことを言わなあかんで。

吉田 片岡さんは本当に話すのがお上手なので、アシスタントではありますけど、私がお話を聞かせていただいているような気持ちになります。あと、父親が今年50歳になるのですが、両親と年齢が変わらないところも話しやすさの要因なのかなと思います。

片岡 むしろオレのほうが年上やんか(笑)。

吉田 気さくにさまざまなことを話してくださるので感謝しています。初めは、プロ野球ですごく活躍された方なので萎縮していたんですけど、そうした緊張を解いてくれるトークのやわらかさがあります。

片岡 いや〜、初めから萎縮はしていなかったと思うけどね(笑)。ちなみに、オレの現役時代は知ってる?

吉田 私が生まれた年(1998年)くらいに活躍されていたので、現役時代のプレーは見られなかたんですが......解説やテレビ番組で活躍されているイメージが強いです。

片岡 吉田さんは西武ファンで、パ・リーグファンでもあるけど、オレはプロ入りが日本ハム、パ・リーグで育てられたという思いがあるからうれしいね。パ・リーグに関してはオレよりも詳しいし、吉田さんから情報を得ることも多い。オレは西武のブランドンのフルネーム(タイシンガーブランドン大河)なんて長くて覚えられないしね(笑)。

吉田 なんせファンですから(笑)。先ほど、動画のコメントの話が出ましたが、毎回読んでいるんですか?

片岡 けっこう読んでます。いい意味で直に入ってくるやん。コメントを読んでいて、「あれはよくなかったな......」とか、「ああいう企画がいいのかな?」とか思うしね。多くのYouTuberがいて、いろんな企画がある中で、面白おかしい企画も考えなきゃいけない。でも、オレはプロ野球に長くお世話になっているから、ふざけすぎてもあかん。緩いところもみせたほうがよさそうではあるけど、YouTubeだからこそできる部分もあるね。

吉田 私もコメントは毎回すべて読んで、いいことが書いてあったらグッドボタンを押してます(笑)。もちろん、視聴者のみなさんからの意見を反映していかないと、とも思っていますよ。

片岡 いいこと言うね!

吉田 YouTubeは、娯楽や情報源として欠かせないものになっていますし、家で過ごす時間が増えてより身近なものになった人も多いと思います。片岡さんは今後、YouTubeでどんな企画をやっていきたいですか?

片岡 企画が一番難しいんですよ。いざ収録を始めるといろいろできるんですけど、「今日はどんな内容にしようか?」と悩んでばっかり。ただ、それこそ吉田さんもそうだけど、オレはありがたいことに人に恵まれた。桑田(真澄)さんや清原(和博)さんをはじめPL学園の野球部の先輩や、さまざまな方がチャンネルに出てくださったしね。

 でも、「すごくよかったな」と手応えを感じていた企画の再生回数が意外と伸びなかったりするなぁ。自分たちの感覚と、視聴者の方が望んでいるものは、けっこう違うこともあるんだなという発見もありましたね。

吉田 難しいところですよね。過去に反響の大きかった企画は何でしたか?

片岡 PL学園の先輩たち(同校で主将・コーチを務めた清水孝悦氏ほか)にご出演いただいた企画の反響がすごかったですよ。僕らが普段話しているような会話を撮って公開したけど、逆にそれが面白かったのかな。ただ、あれはほぼカットやけどね(笑)。こんな世界があるのか......という使えない話ばかりなので、編集者も大変だったと思います。

 そういった動画を投稿し続けていることもあってか、街中でファンの方に会ったら、今までは「阪神の片岡」「日本ハムの片岡」って声をかけられていたのが、最近はほぼ100%で「YouTube見てます」と言われますよ。「あの企画は面白かったですね」とか。これからも、多くの方に楽しんでいただける企画をやっていかんとね。

吉田 そうですね。私も頑張ります!

(中編:片岡篤史によるリーグ展望>>)

【プロフィール】
◆片岡篤史(かたおか・あつし)
1969年6月27日、京都府生まれ。PL学園時代に甲子園春夏連覇を達成。同志社大学を経て、1991年のドラフトで日本ハムから2位指名を受け入団し、主力野手として活躍。2001年オフにFAで阪神に移籍し、2003年にはリーグ優勝に貢献した。引退後は阪神の一軍ヘッドコーチや打撃コーチを務め、現在は解説者や、自身のYouTubeチャンネル「片岡篤史チャンネル」など多方面で活躍中。

◆吉田恵美(よしだ・めぐみ)
1998年12月10日生まれ。2017年のミス東京薬科大学グランプリ。メットライフドームでビールの売り子として働いていたこともあり、西武ファンに。『non-no』(集英社)の専属読者モデルとして活動するほか、ボイスメディアVoicy『スポニチニュース』月曜の公式パーソナリティーなど活躍の場を広げる。2021年1月26日から、「片岡篤史チャンネル」のアシスタントを務めている。

著者:浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo