MLBは7日(日本時間8日)今年のMVPファイナリストを発表した。ア・リーグMVPには、大谷翔平ロサンゼルス・エンゼルス)、ア・リーグ新記録62本塁打のアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)とワールド・シリーズ制覇のヨルダン・アルバレス(ヒューストン・アストロズ)の3人が選出された。

■MVP逃すと現地ファンが荒れる?

意外なことに大谷がア・リーグMVPのファイナリストに選出されたことに、現地メディアはあまり盛り上がっていない。地元紙『オレンジカウンティ・レジスター』は「月曜日、オオタニはジャッジとアルバレスとともにMVP投票でトップ3のいずれかに選ばれた」と報じるも、「ジャッジはOPS1.111に加え、62本塁打のア・リーグ新記録を樹立し、同賞の最有力候補とされている」とジャッジが優勢であることを伝えている。また、ア・リーグMVP最有力候補のジャッジを擁するヤンキースの専門メディア『ピンストライプ・アレー』は、同日付の記事で次のような反応を示している。「MVP≠WAR賞ではないが、(WAR指標)2位の大谷を2つ以上上回るジャッジが初のMVPを獲得。エンゼルスのスーパースターの2年連続受賞の機会を奪うことができるだろう」とジャッジの受賞を推す。

11月9日には、MLB公式メディア『MLBネットワーク』が今季の大谷の投打成績とともに「Is this the AL MVP?(ア・リーグMVPはこれ(大谷)で決まりか?)」という、Twitterに投稿した内容に現地ファンが「もちろんそうだ!」や「冗談はよしてくれ」など様々なリアクションを示し、今も舌戦を繰り広げている。BBWAA(全米野球記者協会)による投票の結果は17日(日本時間18日)に発表される。受賞者次第では、現地、特にファンが荒れる可能性はありそうだ。

■現地メディアの注目はサイ・ヤング賞候補漏れ

エンゼルスの地元メディアの注目は大谷がMVPファイナリスト選出よりもサイ・ヤング賞候補に選ばれなかったことの方に集まっている。元『ジ・アスレチック』のブレント・マグワイア記者はツイッターで、「投手タイトルの対象となった45人の先発投手のうちオオタニ(の成績)は上位6番目。しかし、(オオタニが)ア・リーグのサイ・ヤング賞の最終候補3人には入らなかった」と肩落とし、エンゼルスの専門メディア『ヘイロー・ハングアウト』は8日付の記事で「意外なことに(オオタニが)サイ・ヤング賞候補にならなかった」と驚きをもって伝えながら、「オオタニは最終候補になるべきだった」と主張するなど、各所から不満の声が噴出した。

オンライン最大のエンゼルスファンサイト『エンゼルス・ウイン.com』のテイラー・ブレイク・ウォード記者も自身のツイッターで「サイ・ヤング賞が投手を対象とした賞であることを考えれば、オオタニがファイナリストに残らなかったことも当然だが」と投稿しながら、「しかし、600打数以上で30本塁打以上を残した同一選手が166イニング、防御率2.33、219奪三振を残していることは非常に印象的である」と大谷の成績を強調するなど、この結果に異議を唱えた。

スポーツメディア『ザ・コールド・ワイア』も、大谷のサイ・ヤング賞候補不選出に疑問を抱き、8日付の記事で次の主張を展開している。

「オオタニは、規定投手として認定される166イニングを投げた “だけ ”にもかかわらず、ア・リーグでも3番目に高いWAR5.6を記録している。防御率2.33はリーグで4位(ファイナリスト選出3人に次ぐ)だったが、(ジャスティン・)バーランダーや(アレック・)マノアより少ないイニング数でより多くの奪三振を記録している。オオタニは、少なくとも(サイ・ヤング賞の)ファイナリストになるべきだった」

今季の大谷は、特に投手としての評価が高かった。だからこそ、サイ・ヤング賞のファイナリストに選ばれなかったことに現地識者は不満のようだ。

文●澤 良憲(Yoshi Sawa)