ヤクルトの日本一で幕を閉じた2021年のプロ野球シーズン。15日に「NPB AWARDS 2021」が開催されるが、その前に注目の「新人王」を予想したい。

■佐藤輝は失速…栗林と牧によるハイレベルな争いに

セ・リーグは、かつてないほどハイレベルな争いだ。当初は五輪ブレイク前までに20本塁打を放った佐藤輝明(阪神)が最有力とされたが、後半戦に入ると59打席連続無安打で2軍落ちするなど急失速。その佐藤のライバルと見られていた栗林良吏(広島)と、シーズン終盤に猛追した牧秀悟(DeNA)の争いとなった。

栗林は守護神としてデビューから球団新記録を更新する22試合連続無失点を記録。その後も安定した投球を続け、53試合登板で失点したのは4試合のみでリーグ2位の37セーブをマークした。防御率(0.86)と奪三振率(13.93)は佐々木主浩(元横浜)や藤川球児(元阪神)クラスの数字で、東京五輪でも侍ジャパンの守護神として全5試合に登板し、2勝3セーブで胴上げ投手となった。

牧は137試合に出場して打率.314、71打点と佐藤の数字を上回り、22本塁打で史上4人目となる新人3割&20本塁打以上を記録した。8月に新人史上初となるサイクル安打を達成すると、新人シーズン最多二塁打(35本)を更新し、猛打賞(14回)は新人歴代最多記録に並んだ。打率、安打(153本)、得点(73点)など、7部門で球団新人新記録を樹立した。

■例年なら新人王も夢ではない中野や奥川

その他にも盗塁王(30個)に輝いた中野拓夢(阪神)やセの新人で唯一2桁勝利をマークした伊藤将司(阪神)に、高卒2年目で9勝を挙げ、ポストシーズンでも好投した奥川恭伸(ヤクルト)も、通常のシーズンなら新人王に選ばれてもおかしくない成績を残しており、チームのリーグ優勝にも貢献している点でも好印象だ。

それでも、成績や記録面を考えると、栗林と牧による争いは揺るがないはずだ。まさに甲乙つけがたい両者の成績だが、年間通じて抑えという大役を全うし、防御率0点台を達成した栗林のインパクトは新人離れしている。一方の牧は10月に月間打率.452と猛チャージを見せたが、7月は打率.194と苦しみ、この微妙な差が得票に影響するか。

全国の新聞、通信、放送各社に所属し、5年以上プロ野球を担当している記者による投票で決まる新人王。ハイレベルな争い、成績を収めた場合、「特別表彰」を贈られる場合が多く、今年も「新人特別賞」の設置は間違いないだろうが、それでも正式は「新人王」はセ・パ1人ずつのみ。果たして、「人生に一度のみ」のチャンスをものにするのは「誰」になるのだろうか。

記事提供:ベースボール・タイムズ
データ提供:野球DB