早田ひなはドイツで開催中の「WTTチャンピオンズ フランクフルト」の準決勝で世界ランキング3位の王曼昱(中国)と対戦し、1−4で敗れた。国際試合で3大会連続優勝は逃したものの、今年に入ってみせる活躍ぶりには評価が高まっている。

■アジア大会では殊勲の銀

早田は8月に行われた「WTTコンテンダーリオデジャネイロ」で今季国際大会初優勝。迎えた9月上旬に行われたアジア選手権では女子シングルスで伊藤美誠と並び日本勢最高のベスト8。ともに中国勢に敗れた。

さらに、9月下旬から参戦したアジア競技大会では、当時世界4位の王芸迪相手にフルゲームの激闘を演じた。今年5月の世界卓球につづき王芸迪を破り、シングルスで銀メダルを獲得した。

その後も休むことなく国際大会に出場し、「WTTコンテンダーマスカット」、「WTTコンテンダーアンタルヤ」で2大会連続シングルス優勝を果たし、世界ランキングでは自身最高となる4位に浮上。群雄割拠の日本女子のなかでもトップに躍り出たといっていい。

■最大の難関は世界女王

そんな早田の評価は中国でも日増しに高まるばかり。現地メディアの『捜狐』は王曼昱を相手にした準決勝の戦いに触れつつ、現在の早田について言及。「早田は今の中国チームのなかで1番の対戦相手となっている」と評し、「伊藤美誠よりも脅威が大きく、平野美宇よりも安定感がある」と同学年2人と比べても上に立ったとみている。

4位まで世界ランキングを上げてきた早田にとって、目指すべきものとして“中国トップ3撃破”が挙がってくる。なかでもアジア選手権とアジア競技大会でともに早田の前に君臨した孫穎莎は最大の敵。同2位で東京五輪金メダルの陳夢、同3位で今大会敗れた王曼昱をランキングのポイントで倍以上引き離し、世界女王に君臨する。

上位3人に共通するのが攻守においての穴の少なさで、苦しい状況でも守備からリズムを作り攻撃に出る強さも合わせ持つ。早田の最大の持ち味はリーチの長さを活かしたフォアドライブだが、台上での技術やサービスなどの能力も高めつつある。世界のトップオブトップに立つために、上位3選手撃破には戦術も含めたより総合的な力が求められてくる。

■パリ五輪選考会へエントリー

早田は25日、26日に大阪府のAsueアリーナ大阪(大阪市中央体育館)で行われる第6回のパリ五輪選考会「2023全農CUP大阪大会」にエントリー。

パリ五輪選考争いでは700.5 点を積み重ね、2位の平野美宇(432点)、3位の伊藤美誠(411.5点)に大差をつけて独走状態。自身初の五輪出場は“当確ランプ”が灯りつつあるなか、選考対象大会にも引き続き参戦していく意向だ。

国内では頭一つ抜けた状況になりつつある早田にとって、中国勢を倒しての世界トップ3入りや来年のパリ五輪での金メダル獲得などが視界に入る。さらなる高みに向けて選手としての格を上げられるか。日本のトップに立ち、花を咲かせたサウスポーがみせるさらなる進化と飛躍には期待が膨む。

文●井本佳孝(SPREAD編集部)