先週行われた「ヒーロー・ワールドチャレンジ」でタイガー・ウッズが約8カ月ぶりの復帰を果たした。久しぶりの実戦では、通算イーブンパー、18位と本調子ではないものの「タイガーはまだ健在」というプレーが随所に見られた。

■最長370ヤードは7位の記録

右足首の固定手術を受け、長期戦線離脱をしていたタイガー。以前は足首を引きずるような場面もあったが、今回はそのような素振りもなくプレーをしていた。

特に圧巻だったのは、第2ラウンドの15番パー5で見せたドライバー。タイガーの放った渾身のティーショットはフェアウェイ真ん中に着弾し、なんと370ヤードの超ロングドライブとなった。

このタイガーが放った370ヤードは全20選手の中で7番目の記録。さらに今大会期間中の平均飛距離は304.90ヤード(8位)と、現世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーや、今季のツアー最終戦を制したビクトル・ホブランといった若手選手たちにも引けを取らないパワーを見せた。

一方でアプローチやパターといった部分は、まだ感覚が戻ってきていない部分も見受けられる。

本大会期間中の各ストロークゲインド(SG)を見ると、SG:オフ・ザ・ティーは3.660(4位)に対し、SG:アプローチ・トゥ・グリーンは-5.159(20位)、SG:アラウンド・ザ・グリーンは-2.788(16位)、SG:パッティングは-3.963(18位)。スタッツからも分かる通り、ティーショット以外は本調子とは程遠いものだった。

ヒーローワールドチャレンジでのタイガー・ウッズの各SG

ヒーローワールドチャレンジでのタイガー・ウッズの各SG

■希望に溢れたコメントと大きな一歩

結果は奮わなかったタイガーだが、試合中に悲観的なコメントや表情を見せたシーンはなかった。むしろ、ゴルフを心から楽しんでいる強いタイガーの姿がそこにはあった。

第3ラウンド終了時点でのインタビューでは「フィジカル面での感覚にとても興奮している」「今週のように自分のゴルフの錆を落とし、毎日リカバリーできたのは、これまで(怪我をしてから)歩んできた経験の中ではなかった感覚だった」「今週がどう終わるのかとても楽しみ」とコメントを残した。また試合後のインタビューでは月イチのペースで試合に出場する予定を改めて言及した。

手術前はプレーするのがやっと、歩くのも辛そうな場面も多く見られた。もうタイガーの活躍は見られないのではと思ったファンも多かったことだろう。しかし今大会のタイガーは、そんな苦しい表情を見せることもなく、最終日はいつもの赤いウェアと黒のパンツを身にまとい、最後までファンを沸かせるプレーを見せた。今のタイガーがもしプラン通り月1回のペースで試合に出場し続ければ、今の課題となっているアプローチやパターの錆も落ち、PGAツアー最多となる83勝達成も夢ではないだろう。

前人未到の83勝へ、タイガー・ウッズが大きな一歩を踏み出した。

(G.Tsukamoto/SPREAD編集部)