JLPGAツアー2024シーズンがいよいよ開幕する。今季も初戦は「ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」(2月29日〜3月3日/沖縄県・琉球ゴルフ倶楽部/6595ヤード、パー72)。果たして開幕戦を制し、スタートダッシュを決めるのは誰か。ここでは、21年大会の覇者であり、昨季夏以降に本格化し、一時は年間女王争いにも絡んだ小祝さくらに注目していきたい。

■開幕戦勝利は女王争いへの近道

開幕戦の勝利は37分の1以上の価値がある。これを裏付けるデータが以下だ。過去3年の「ダイキン」優勝者と、当該年度の最終成績(メルセデス・ランキング)をまとめたものになる。

ダイキンオーキッドレディス優勝選手の同一シーズン最終成績

ダイキンオーキッドレディス優勝選手の同一シーズン最終成績

23年優勝の申ジエはメルセデス・ランキング2位、22年優勝の西郷真央は同2位。21年優勝の小祝が同3位と、いずれも年間女王争いに絡んでいる。さらに小祝は「暑さが苦手」と言いながら、夏場の大会にめっぽう強い“夏女”として知られている。

小祝さくら優勝トーナメント

小祝さくら優勝トーナメント

ご覧の通り、過去9勝のうち5勝が夏場の大会である。逆にいえば、春先に一つでも二つでも優勝できれば、年間女王への可能性が高まる。実際、「ダイキン」「Tポイント×ENEOS」と春先に勝てた20-21シーズンが、年間5勝と小祝のキャリアハイになっている。

■ドロー→フェード→ドロー

小祝はここ数年、吉田直樹コーチの下、スイング改善に取り組んできた。元々ドローボールヒッターだが、引っ掛かって左への曲がり幅が大きくなり、ドライバーが散らばっていた。そこで球筋をフェードに変え、ドライバーショットを安定させる挑戦に乗り出した。

22シーズンはスイング改善に取り組みながら、フェード主体で「リゾートトラスト」優勝。「スタンレー」で2勝目を挙げた。そして昨季、序盤は予選落ちも多く苦しんだ。転機は「ブリヂストン」で訪れた。フェードがうまくいかず、コーチとも相談し、2日目から球筋をドローに変える。すると、これがはまってショットが復調する。

以降、小祝はフェードへのこだわりを捨てる。とはいえ、ドローといってもそれは限りなくストレートに近いドロー。スイング改善で習得したコンパクトなトップの位置もそのままだ。それでいて安定感が増してくる。ついに「ミネベアミツミ」で念願の地元初優勝を飾ると、以降、5試合連続トップ5入り。「ゴルフ5」からは3試合連続2位と本格化した。

■100ヤード以内の練習メインに

終わってみれば、メルセデス・ランキングは4位、18シーズンから5季連続でのトップ10入り。5季連続でのシード獲得となった。そればかりでなく、小祝は昨季、主要なスタッツでキャリアハイを更新している。以下がその一覧になる。

小祝さくらキャリアハイスタッツ

小祝さくらキャリアハイスタッツ

中でもドライビングディスタンスは、前季に比べ8〜9ヤード伸び、250ヤード超えを記録。パーオン率も71.2500から73.6284へと向上した。スイング改善の効果が表れたといっていい。小祝の昨季の自己評価は「80点」。また、「初めて球筋をフェードに変えるトライをしてみたけど、やっぱりドローのイメージの方がいいと実感した」と振り返っている。

スイング改善に一区切りつけた小祝は、このオフシーズン「100ヤード以内の練習をメインに取り組んだ」という。昨季後半好調だったドライバーに加え、ショートゲームにも磨きがかかれば、念願の年間女王も十分狙えるだろう。まずは強い風と高麗芝がやっかいな「琉球ゴルフ倶楽部」でどんなプレーを見せてくれるのか、期待したい。

文●河野道久