羅怡文社長

ラオックスは1月28日、東京港区のプラースカナダで「日本酒中国輸出説明会」を開催した。

同社は2009年に中国の蘇寧グループ傘下に入り、日本国内では全国約40店舗の総合免税店を展開、中国向けECや貿易も行っている。同社は今後、日本酒をはじめとした「日本のおいしい食」に力を入れていくとし、まず日本酒を皮切りに中国現地のカルフール店舗など蘇寧グループの販売網を活用した輸出に取り組む。同社は、輸出卸免許、小売免許の取得を進めており現地販売は4月から実際に展開していく。説明会には数十社の蔵元らが参加した。
ラオックス中国市場導入戦略 マスタースケジュール

ラオックス中国市場導入戦略 マスタースケジュール

 
同社のインバウンド免税店での日本酒の試飲や購入に加え、中国に帰ってからも同グループの店舗やECサイトで購入できる環境をつくる。現地での販売先が既に確保され、インバウンド向け免税店との取扱い銘柄の連携が取れることは非常に大きな強みと言える。
 
輸出のほか日本国内では、3月下旬に大阪道頓堀戎橋付近に「日本のおいしい食」として食品に特化したフロアを設けた店舗をオープンする。また2019年10月には、上海に日本酒博物館を開設しており、現地での日本酒の普及にも既に取組み始めている。日本酒博物館では、日本酒の販売はできないため、今後日本酒輸出を行うことで、近隣のカルフール店舗での購入へ誘導するなどの展開を図る。
 
実際の中国への輸出では、ラオックス自身が輸出卸を担う方法ほか、現状の酒類卸や輸出卸を通してグループの現地子会社に販売する、輸入卸の専売契約がある場合に、輸入卸から現地子会社が購入するなど既存商流を維持した形で柔軟に対応する。
 
〈羅怡文社長「日本酒をテーマにインバウンドの先のグローバル化へ」〉
説明会の冒頭、同社の羅怡文代表取締役社長が「秋葉原の家電量販店ラオックスが蘇寧グループに2009年に参加して以来、インバウンドに特化したお店に転換して、2010年から秋葉原本店を改装してスタートした。2015年ごろに、日本で爆買いが話題となる中、ラオックスはインバウンドの先駆者と自負している。リテールカンパニーとして、メードインジャパンの商品の良さを認識させたことも我々の自負の1つだ」とあいさつ。
 
続けて、「今回我々は、日本酒を1つのテーマとして、インバウンドから次はどうするかを考えた。インバウンドの先はグローバル化、海外から日本に来る人々だけではなく、積極的に海外に輸出して販売していく。これまでは、家電製品、今一番売れているのは、化粧品や薬品。おそらく、これからだと我々が感じているのが“食品”だ」と語り、日本の食品の輸出について触れた。日本の酒について「ご存知の通り、日本のウイスキーは海外で売れ、日本国内で消費できない。海外で高額で取引されているような時代だ。最近は中国も和牛が解禁されようとしている。我々としては、次のステップに来たと思っている。ラオックスとして、モノからコトへ、その第1弾として日本酒を考えている。モノとコトの融合はお酒であり、モノも売れるし、コトの楽しさも感じられる」と語った。
 
〈酒類飲料日報 2020年1月30日付〉