〈日本給食サービス協会・西会長「4月以降の学校給食の提供が困難になる」 〉
自民党は3月11日、政調、経済成長戦略本部・新型コロナウイルス関連肺炎対策本部の合同会議を開催した。緊急対策案(第2弾)の説明後、給食、外食、食品、農業、林業、水産の6団体代表者が経済への影響と政府への要望を説明した。

日本給食サービス協会の西剛平会長(レパスト社長)は3月2日からの1ヶ月間の学校の休校措置に伴う業界における影響について、「緊急措置に対応し、従業員を直ちに学校以外の部門に配置換えを行うことは困難であるため、従業員の賃金並びに給食提供のために準備した食材等関連経費などの補償が必要である」と述べた。

協会会員には、学校給食を専門の事業としている会社も多く、配置換えが全く困難な状況にあるという。特に、「短時間雇用従業員の中には、他の就業先を探す動きが出始めており、この流れが止まらなければ4月以降の学校給食の提供が困難になる恐れがある」と危惧した。

また、全国の公立学校における給食委託業務は文科省の最新の調査(2018年6月時点)によると、民間委託率は50.6%(伸び率4.6%)となっており、残る約半数の公立学校直営の給食業務職員は、市区町村等の職員として給食業務の有る・無しに関わらず、3月分の給与が支給されることを説明した。その上で、「今回の緊急措置の発動により、民間事業者の従業員のみが給与の支給が行われないことになれば、極めて大きな不公平感が惹起する」と問題視した。

西会長によると、給食サービス事業者と各市区町村等との契約書では、今回の措置のような場合に、特例事項として「当事者双方が別途協議する」としているのが一般的であるが、すでに一部の市区町村等において、担当者から呼び出しを受けて協議に応じられない旨が通告されているとの情報も数多く寄せられている状況だという。

そのため、政府に対して、
〈1〉3月分の給食受託事業者に対する業務委託料の支払いについて、政府として全国市区町村等に対し契約書のとおり支払いに応じるよう通知を発出するとともに、必要があれば政府が市区町村等への財政的な下支えを行うことと
〈2〉給食サービス事業者の従業員についても、新たな助成金制度(非正規雇用者を含む、助成率10/10)の対象とすること
――を緊急に実施してもらうことを強く要望した。

〈日本フードサービス協会・高岡会長「リーマンショック、東日本大震災以来の危機に直面している」 〉
日本フードサービス協会(JF)の高岡慎一郎会長(人形町今半社長)は「このままの状況が続けば、特に中小・中堅の外食企業の倒産の危機に直面する」と警鐘を鳴らした。

外食産業への影響について「2月後半から大幅な落ち込みが始まり、2月末から極めて深刻な状況である。3月に入り、直近では、パブ・居酒屋・ディナーレストラン、ファミリーレストランなどは売上げが5割以上落ち込むチェーンもあり、休業・営業時間短縮を余儀なくされる店舗も多い」と説明。地域的には特に北海道が厳しく、来客数・売上げが大幅減少。店舗の3分の2が休業、札幌地区の売上げが7割減少のチェーンもあると話した。

また、「インバウンド需要も減少した。2月に入り、中国人観光客(全外国人観光客の3割を占める)の需要がなくなり外食店舗は大きな減収となった」と続けた。

そのため、高岡会長は、短時間労働者に対する社会保険適用拡大の時期を、現行(案)の2022年101人超、2024年51人超に対象拡大することを、2027年に101人超、2029年に51人超へ、それぞれ最低5年ずつ実施時期を遅らせることを要望。

また、「リーマンショック、東日本大震災以来の危機に直面していることから、飲食店の営業に要する費用について緊急融資を実行すること」も要望した。

食品産業センターの村上秀徳理事長は販売面の影響について「即席めん、冷凍食品など家庭内消費の増加がみられるが、生産と在庫の状況から供給不足になることはない」と説明。

供給面への影響については「中国国内の工場では従業員が確保できずに稼働率が低下しており、状況が改善しなければ、中国で製造して輸入している製品の供給に支障が出る可能性がある。食品工場の労働力について、一斉休校の実施に伴い、一部のパート社員が出勤できなくなっている 」と課題を呈した。その上で、
〈1〉経営を継続していけるような総合的な対策の実施
〈2〉食品表示基準の弾力的な運用
〈3〉感染が食品工場で発生した場合、操業再開の手順の明示と風評被害の防止
――等を求めた。