ホット対応の「健康ミネラルむぎ茶」(275mlPET)

日本の麦茶飲料市場は、年々拡大を続けて2019年に約1105億円となった。無糖、ミネラル、カフェインゼロの特徴を背景に、10年間で約3.5倍の規模となり、清涼飲料全体を見渡しても成長著しいカテゴリーだ。

この成長のきっかけは2つあり、ひとつは2011年の東日本大震災の際に、家庭の生活飲料として常備する人が増え、2リットルPET製品が伸長したこと。そして、歴史的な酷暑となった2018年に、家庭内だけでなく外出先でも個人の麦茶飲料の飲用が増え、630mlPETなどの中容量帯が伸長したことが挙げられる。

もともと麦茶は、緑茶の普及するはるか昔から飲まれており、明治時代は大麦を自宅で煮出し、昭和40年代からは冷蔵庫の普及とともに家庭で水出しティーバッグを飲まれるケースが定着していた。その後、麦茶飲料が家庭、外出先、スポーツなどのシーンでの暑さ対策で飲用され、最近では、季節を問わず飲用されるようになってきた。

麦茶飲料と麦茶リーフの両方でシェアトップの伊藤園によれば、飲用シーンの増加により麦茶は年間で飲まれる飲料になったとする。また、同社の麦茶飲料「健康ミネラルむぎ茶」の昨年の売上実績も、春夏期(5〜10月)で4年前に比べて32%増加し、秋冬期(11〜4月)も37%増加したという。

そこで、伊藤園は、今年から本腰を入れて麦茶のホット提案に取り組み、ホット対応の「健康ミネラルむぎ茶」(275mlPET〈電子レンジ対応〉税別115円、500mlPET〈HOT&COLD兼用〉税別140円)を9月7日から発売する。通常製品は、子どもからお年寄りまで幅広いユーザーに支持されているが、ホット対応製品は20〜40代女性をメインターゲットに訴求する考えだ。

これまで一部自販機などでホットのむぎ茶を展開したところ、「温かい麦茶はうれしい」「ノンカフェインのホット飲料が少ないのでありがたい」などの声が女性を中心に寄せられたという。

伊藤園のマーケティング本部の相澤治ブランドマネジャーは、「麦茶飲料市場は売上を伸ばしているが、まだやり残したことがある。それはホットへの挑戦だ。外出先でのニーズも広がっているが、今年は在宅で長い時間を過ごす方も増えている分、カフェインの摂取を気にされる方もいる。今年は麦茶飲料にとって転換点といえる年になる」と話した。

新たに発売するホット対応「健康ミネラルむぎ茶」は、原料にホット専用原料の大麦を使用するとともに、大麦の甘みを引き出す“新ふっくら焙煎”を採用し、煮出したての味わいが楽しめる。また、275ml製品は、キャップを外して電子レンジで温めることができる(500Wの場合=1分10秒)。 

相澤ブランドマネジャーは、「“寒い時期の温かいむぎ茶”のニーズは増加している。乾燥する冬こそ、温かいむぎ茶で水分やミネラル補給をしていただきたい。そして一過性ではなく、温かい麦茶を飲む習慣、文化を作っていきたい」と語った。