2021年春の家庭用冷凍食品新商品数は163品、2020年秋の反動か6年ぶり高水準

食品産業新聞が集計した2021年春の家庭用冷凍食品新商品(リニューアル品除く、期中発売・地域限定含む)は、21社・163品だった。2020年秋はコロナ禍の影響から18社・106品と過去20年ほどで最も少ない新商品数だったが、その反動もあってか2015年春の161品以来、6年ぶりに新商品数が160品を超えた。

2021年春の新商品数が多かったことには、2つの要因が考えられる。1つはコロナ禍の影響で2020年秋の新商品が少なかったことの反動だ。2020年秋の新商品数は18社・106品で、2002年以降の1季(1年間を春夏・秋冬の2季とする)としては最も新商品数が少なかった。原因はもちろんコロナ禍で、2020年春の家庭用冷凍食品需要の大幅拡大や、移動制限による開発遅延などの影響があった。その反動で、2021年春には温めていた商品の投入が増えたことが考えられる。

もう1つは、家庭用冷凍食品市場の拡大へメーカー各社が対応を図ったことが考えられる。KSP-POSのデータによれば、2020年1〜12月のスーパー・生協等での冷凍食品販売金額は前年比7.2%増と例年以上に拡大した。春先に巣ごもりの買いだめ需要等で市場が大きく伸長したほか、コロナ禍の影響がやわらいだ夏以降も、新常態にマッチした冷凍食品の市場は堅調な推移が続いた。

そして、単に市場が拡大したのみではなく、「市場の多様性も拡大した」(大手卸幹部)という。たとえば、外食へ出かけづらい状況の中で、外食品質の商品への需要増や、買い物頻度減少による大容量商品の需要増などがあったという。また、メーカー側から見ても、コロナ禍の影響で苦戦する業務用冷凍食品向けの生産ラインを活用したい思惑があり、従来と異なる新商品投入への後押しとなったと思われる。

近年、どちらかといえば家庭用冷凍食品の1季当たりの新商品数は一時に比べると少なめな傾向にあった。手もとにデータがある2002年以降の約20年で見ると、最多は2003年春の222品で、2004年秋に186品、2013年春に180品を記録したが、2015年秋に161品が発売されて以降、市場は堅調にもかかわらず新商品数は150品以下での推移が続いた。

〈メーカー別、最多は日清食品冷凍の20品〉
メーカー別で今春新商品の発売点数が最も多かったのは、20品を発売した日清食品冷凍だった。カテゴリー別内訳はパスタ10品、うどん2品、中華麺3品と麺類が計15品、米飯2品、調理品のおかず2品、スナックのお好み焼1品。同社はもともとパスタ類で新商品投入が多い傾向があるが、2021年春はこれまで麺類で展開していた「日清中華」ブランドから中華おかず2品も新たに投入し、発売点数を押し上げた。

2番目に多かったのは、ともに16品を発売した日本水産とニップン。日本水産のカテゴリー別内訳は調理品のおかず4品、米飯3品、弁当品3品、農産品3品、幼児食という新カテゴリーに挑戦した「ニコパク」2品、スナックのたこやき1品。各カテゴリー万遍ないが、農産品や「ニコパク」といった商品も発売したことが押し上げた。

ニップンの新商品のカテゴリー別内訳はパスタ5品、調理品のその他に入れた食事セットの「よくばりプレート」4品、おかず3品、個食米飯3品、スナックに入れたホットケーキ1品。最多はパスタだが「魅惑のプレート」「よくばりプレート」と、新カテゴリーを開拓するような商品が多いのも特徴だ。

〈冷食日報2021年3月23日付〉