サッポロビール「濃いめのレモンサワー」シリーズ

サッポロビールが3月2日に発売した「濃いめのレモンサワー」は3月下旬の出荷をもって、2,000万本(250ml換算)を突破した。サッポロビールのRTD(レディ・トゥ・ドリンク=ふたを開けてすぐ飲める飲料)ブランド史上、累計販売数量として最速日数での達成。また、3月末時点での累計販売数量としては、サッポロビールRTD市場単一フレーバー商品では過去最大の販売数量となる。

また、2019年に発売された「濃いめのレモンサワーの素」もスーパーマーケットからドラッグストア、コンビニ、総合スーパーと幅広い業態で取り扱われており、2021年3月には1.8LPET入りの大容量商品も発売された。

「レモンサワーの素」でもRTDでも魅力的な商品が続々と発売され、レモンサワー市場の環境はまさしく「レッドオーシャン」となっているが、その中でも消費者からの高い評価を獲得し、好調な販売実績を積み重ねている「濃いめのレモンサワー」ブランドの商品特長や取り組みについて、サッポロビール&RTD事業部の永井敏文第3グループリーダーと、ワイン&スピリッツ事業部マーケティング統括部の三溝貴弘第1グループリーダーに話を聞いた。

――まず、先行して発売していた「濃いめのレモンサワーの素」が支持されている理由を教えてください。

三溝GL=昨今の飲酒動向を見てみると、レモンサワーは「居酒屋の定番ドリンク」としてお客様に浸透・定着している。加えて、新型コロナウイルス感染症拡大により、家でも本格的な味わいが楽しめる「レモンサワーの素」の市場が伸長しており、その中でも気軽に居酒屋気分が楽しめる商品が、特にお客様から支持されている。

また、年齢層別で見るとレモンサワーに求めるニーズが異なっており、中高年層ではスッキリ系が、若年層ではしっかりとした味わいが好まれる傾向がある。「濃いめ」と商品名にも入れ、レモン味の濃い味わいや口当たりの良い酸味が特長の「濃いめのレモンサワー」は競合商品がひしめく中でそういったポイントが支持されていると分析している。

お客様の主な購買層は30〜40代が中心。また、RTDの「濃いめレモンサワー」も同時に買われる方が多く、気分や機会によって飲み分けをしているようだ。

――大容量商品での業務用の展開はいかがですか。

三溝GL=発売して間もないが、料飲店からは味わいや使い勝手の良さなどを高く評価していただいている。

オリジナルのタンブラーでの提供を推奨し、ブランドの露出機会を多くしているほか、注ぎ足し用のショットグラスも用意しており、それに「素」を入れることでお客様自身が自由に濃さを調整できる仕掛けも展開し好評を頂いている。

業態別で見ると、やはりレモンサワーがよく飲まれる居酒屋、焼き鳥、焼肉がメインとなっている。

また、当社で「お客様にとって外食の飲酒の楽しみ」に関する調査を行ったところ、「様々なお酒が選べる」を魅力とする方が多かった。昨今レモンサワーはベースとなるお酒から割り材まで様々なものが用意され、味わいも多種多様となっており、そこに「濃いめのレモンサワー」を加える事で、お客様に選べる楽しみを更に高める提案を行っている。

また、4月には家庭向けルートでも大容量商品を発売するが、これは家飲みで「濃いめのレモンサワーの素」を楽しんでもらっているお客様から「大容量商品が欲しい」というリクエストがあったため。家庭用ルートでも積極的に販売していく。

――RTDの「濃いめのレモンサワー」も好調ですが。

永井GL=3月2日に満を持して発売となった「濃いめのレモンサワー」だが、先行して発売していた「濃いめのレモンサワーの素」の売れ行きが好調だったため、RTDも導入はスムーズだった。

中味は「素」と炭酸水を1:2で割って氷を入れたときの味わいと同じにしており、しっかりとすっぱいレモンの味わいと、フレッシュな香りが高い評価を受けている。

現在RTD市場では「レモンサワー専門ブランド」もかなり増加しており、売り場を見ても様々な商品がある。その中では「わかりやすさ」が大切になってくる。お客様が購買行動をする際には「こだわり消費」と「カジュアル消費」の2つがある。缶チューハイは「カジュアル消費」で選ばれる商品。売り場でパッと見て判断するお客様も多く、それ故に「わかりやすさ」は大きな武器となる。

「濃いめのレモンサワー」は商品名どおり「濃いめ」が一番の価値で、缶体にも大きく記載してある。消費者の心理としては「同じ価格であれば濃いめのほうが良い」という考えが働く人も多いことも好評の一因。加えて、中味は間違いないものをつくっている。一度手に取ってもらった人の反応も良い。

――プロモーションも特徴的です。

永井GL=「素」に引き続き、「オー!マイキー」のキャラクターを起用することとなった。主人公・マイキーの両親であるジェームス・フーコン(父)とバーバラ・フーコン(母)が登場し、商品をアピールしている。

酒類業界でマネキンが商品をアピールするのはおそらく前代未聞のことだが、インパクトも大きく、いい意味で違和感や驚きも「濃い」のは商品のイメージとも合致している。また、登場しているのが夫婦で、当社が想定するユーザー層を意識したプロモーションでもある。パートナーなどと楽しんでほしいというメッセージも込めている。WEB動画にもあるが、夫婦ということで「濃い≒恋」ということもかかっている。

――同じくレモンサワーの「レモン・ザ・リッチ」との差別化ポイントは。

永井GL=2021年2月に大きくリニューアルして発売した「レモン・ザ・リッチ」は、これまでのゴージャスでリッチな雰囲気から、上質感を訴求する商品としてリポジショニングをはかった。レモンへのこだわりについては以前と変わらない。また、ラインアップも2020年限定商品として発売し、驚くほど高い評価を得た「神レモン」を追加した。既存品でも「濃い味レモン」を「特製レモン」、「ビターレモン」を「苦旨レモン」として発売することとなった(「ドライレモン」は終売)。

「濃いめのレモンサワー」はカジュアルに「濃い」を楽しめる商品。一方「レモン・ザ・リッチ」はRTDカテゴリでは少し高価な商品となるが、上質でプレミアムなレモンの味わいが楽しめる商品。「どちらが良い」とするのではなく双方の良さを活かしていく。レモンを軸にした当社のRTD戦略にさらなる補強ができたと考えている。

――今後の方針は。

永井GL=当面はラインアップの拡充など、横への拡大は考えていない。しっかりと軸になる商品として育てていく。商品が持っている価値や本質を伸ばしてあげたい。

また、「濃いめのレモンサワー」ブランドは普段の食卓をより明るいものとしていく。今後の展開にも期待してほしい。

三溝GL=RTD商品の発売で、ブランドへの入口はさらに広がった。ブランドで統一して露出し知名度を上げていきたい。また、社会が「ニューノーマル」に移行する中、外食でお酒を飲む楽しさを高めると共に、引き続き「居酒屋系ドリンク」として商品の魅力を訴求していきたい。

〈酒類飲料日報2021年4月7日付〉