昭和産業は5月25日、オンラインで決算説明会を開催し、新妻一彦社長が2021年度の業績見通しを説明するとともに、中期経営計画20‐22の進捗状況について報告した。

新妻社長はまず、増収減益となった2020年度について、「ボーソー油脂とサンエイ糖化を子会社化したことで増収となったが、経常利益、営業利益は新型コロナの影響も大きく、減益となった」と振り返った。新型コロナの影響については、「業務用の構成比の多い当社は影響も大きく、売上高は約100億円の減収となった」と述べた。

2021年度の売上高は2,800億円、営業利益は79億円、経常利益は90億円、当期純利益は60億円を見込む。「2020年度から『収益認識に関する会計基準』が適用され、約200億円減少があるものの、価格改定の徹底による効果や、子会社したボーソー油脂とサンエイ糖化が通年で業績に寄与することなどで増収を見込む。一方、経常利益は、原料穀物相場の影響により、減益を想定する」と説明した。

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油脂食品事業は売上高994億円、営業利益21億円の増収減益を見込む。2020年9月にボーソー油脂が子会社に加わったことで、こめ油類の販売数量が増加し、売上高は全体で100億円程度の増収を見込んでいる。業務用は引き続きコロナの影響で厳しい状況が続くとした。

「原料穀物価格は歴史的な高騰が続いており、大変厳しい状況にある。業務用の落ち込む市場に対し、一歩進んだ提案型営業、積極的な部門間シナジーによる新分野のアプローチを進めていく。家庭用は好調な内食需要を捉え、プレミックス、プレミアム油、パスタを中心に販促を実施し、販売数量の増加を目指す」と述べた。

価格改定については、「半年という短い期間に3度にわたる大幅な価格改定を実施する異例の状況となっているが、丁寧な価格改定を進めていく。3月からのキロ30円の価格改定については、ほぼ進捗通りとなっている。6月1日からのキロ30円の価格改定は佳境を迎えており、厳しい状況ではあるが、理解されつつある。しかしながら、穀物の世界的なひっ迫ということで、相場は想定以上に急騰しており、8月から追加の価格改定を発表した」と説明した。

〈業務用大豆たん白の売上高は過去最高に、2020年度20億円、2021年度22億円目指す〉
中計20-22については、基本戦略の新たな取り組みや注力内容について報告した。ボーソー油脂との取り組みでは、「2020年9月に子会社となり、業績改善に向けた両社の商材と販路を活用したクロスセル、物流販売コストの削減の取り組みを開始した。その結果、ボーソー油脂の当期純利益は前期、4期ぶりに黒字に転換した。引き続き、シナジー追求し、油脂食品事業の強化を図っていく」と語った。

また、大豆たん白の販売強化について、業務用大豆たん白の売上高は、2020年度は過去最高の19億円と、2013年度比の約1.7倍となったとした。取り組みとして、2020年11月に業務用新製品「ミーテックスE‐1」を発売した。従来の粒状ではなく顆粒タイプで、特徴としては高吸水、高食感であること、加水量増加によるコストダウンと食感強化が同時に達成できること、製菓用途の適正があることを挙げた。ハンバーグなどの肉用途だけでなく、シリアルなど製菓用にも適し、幅広く提案できるとしている。

また、グループの昭和冷食食品は、大豆たん白を使用した業務用食品の開発に注力しており、2021年4月に業務用冷凍パン「SOYミートドーナツ」2種を発売した。「中計20-22では、単なる素材メーカーから大豆たん白をメニューにした加工食品メーカーに脱皮を図ることを目指している」と改めて強調した。業務用大豆たん白の売上高は、2020年度は20億円、2021年度は22億円を目指しており、「競争優位性のあるバリューチェーンの構築を図っていく」と述べた。

アグリビジネスの挑戦では、完全人工光型の植物工場の操業を3月からスタートしたという。

「コンビニ向けにサンドイッチの原料としてリーフレタスを販売しており、出荷数も順調だ。7月からのフル操業に向けて、労働生産性の向上や販売先のさらなる確保を進めていく。引き続き、高付加価値の野菜開発に取り組み、長期ビジョンの3rd Stageの本格生産に向け育成を進め、2nd Stageが終了する2022年度には、売上高2億円の達成を目指す」と語った。

〈大豆油糧日報2021年5月27日付〉