制限解除で消費分散も、輸入品の通関遅れで国産バラは堅調(画像はイメージ)

2021年の食肉の年末需要は新型コロナウイルス感染症の広がりが一定規模に抑えられ、また飲食店への制限も解除されたことで、前年のような小売り独り勝ち状態ではなく、帰省や観光などで外食関係や地方のホテル関係なども回復の動きがみられる。

国産豚肉については、牛肉の相場高と輸入チルドポークの供給が不安定にあることからマズマズの荷動きが続いている。とりわけ、バラの引合いは非常に強い。12月4週目に入っても問屋筋への問合わせは多く、それだけ末端もモノの確保に苦労しているもよう。今後、カナダ産など入船が遅れ、賞味期限がタイトになった輸入チルド玉の出回りによる影響が心配されるものの、バラに関しては当面、需給が締まった状況が続くと予想される。

12月22日も全国と畜頭数が7万8,700頭まで増えるなか、関東3市場(全農建値)では上物税抜きで555円を付けた。前年は3週目まで400円台後半で推移したあと、4週目から500円台半ばまで急騰した。2021年12月は月初の段階から400円台後半でスタートし、近年では珍しく、なだらかに豚価は上昇している。豚熱(CFS)の影響もあるが、全体的にバラ、カタロースを中心に品薄で、一部市場に枝肉の買いの動きが強まったこともある。

直近こそ角煮用のカタロースの引合いはエリアによって多少一服した感があり、ウデ・モモ・ロースはさすがにこの時期の荷動きは弱いものの、バラに関しては凍結玉もほとんどなく、モノが足りていない状況にある。ヒレは輸入チルドの供給不安から一部引合いがあるほか、スペアリブは前年並みといった状況だ。

当初(秋口)、2021年の年末需要は新型コロナの影響が不透明だったことで、小売需要も“とりあえず”前年並みと見込む向きが多かった。秋以降も堅調な豚価が継続するなか、9月は野菜価格の高騰、10月に入ってからも気温の高い日が続いたことで鍋物関係の動きが弱かった経緯もあり、自社加工分や得意先向け以外にバラを凍結に回すことは少なかった。

こうしたなか12月に入ると、気温の冷え込みがいっそう強まるなかで、野菜価格も大分安くなり、量販店も豚肉と白菜などを使った鍋物の提案を強めてきた。とくに牛肉価格が高いため、利益を取るため豚肉の販促を強化しており、例年以上に実需の追い風が吹いているといえる。ただ、ここにきてカナダ産を中心に輸入チルドの入船遅れが響いており、4週目に入っても大手量販店からスポットでバラの引合いが入っているもよう。この引合いの強さに、一部問屋筋では余剰アイテムとの抱き合わせで提案する動きもあるが、やはり絶対量が少ないため、対応し切れていない状況だ。「ことしは例年以上にバラに特化した需要構造となっている」(関東の卸筋)との声も。

今後のポイントは、入船遅れの輸入チルドポークの動向だ。とくにメーンとなるロースなどは賞味期限がタイトになるため、中間流通としては早めに売り切りたいところ。まして流通各社では正月休業が拡大・浸透しつつある。今後もバラに関しては一部追加オーダーも考えられるが、今後の輸入チルド玉の入船のタイミングと末端の越年在庫の状況次第では状況が一変する可能性もあり、年明け早々から波乱要因を抱えている。

〈畜産日報2021年12月23日付〉