日本水産 浜田晋吾社長

日本水産は4月20日、2030年度までの長期ビジョン「Good Foods2030」および、2022〜24年度3カ年の中期経営計画(以下、中計)「GoodFoods Recipe1」を発表した。4月21日、都内会議場で記者会見を開き、浜田晋吾社長らが方針等を説明した。長期的な2030年の目標を掲げた上で、そこに至るための第1段階として、今回の中計が位置付けられる。

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長期ビジョン「Good Foods 2030」は、2018〜2020年度までの前中期経営計画「MVIP+(プラス)2020」および、コロナ禍の影響もあり、中計策定を保留し体質強化の1年とした2021年度を加えた、4年間の成果および課題を振り返った上で策定している。

結果として、2021年度は世界的なコロナ禍の影響もあり、難しい事業環境ではあったが、欧州事業の成長、南米養殖事業の安定化・収益化、コーポレートガバナンス強化やサステナビリティ活動促進で一定の成果を収めることができた一方、医薬品原料の海外販売拡大、国内養殖事業の安定化・収益化、国内外の食品生産体制拡充等で課題を残したと総括する。

それを踏まえ、今後の方向性として、
〈1〉サステナビリティのリスクと機会を踏まえた経営の推進
〈2〉事業ポートフォリオマネジメントの強化による資本効率性向上(ROICの活用)
〈3〉収益率の高い海外マーケットでのさらなる成長
〈4〉技術力で尖る領域(養殖事業・ファインケミカル事業等)での成長と差別化の加速
〈5〉既存事業の収益性向上
〈6〉社外発信力の強化
――の6項目を挙げている。

今回掲げる新経営理念の体系は、ニッスイの110余年の歴史、「創業の理念と5つの遺伝子」を土台に、サステナビリティ行動宣言を積み上げ、その上で2030年のありたい姿を示す「長期ビジョン」、最上位にグループの存在意義である「ミッション」(ブランドプロミス)が立つという構造で組み立てられている。

長期ビジョン「Good Foods 2030」では、2030年にありたい姿として「人にも地球にもやさしい食を世界のお届けするリーディングカンパニー」を掲げるとともに、経済価値のみならず、環境価値・社会価値・人財価値も含めた創出価値でKPI(重要業績評価指標)を策定。

その達成に向け、マルチステークホルダーに配慮して持続可能な社会への価値を創造する“サステナビリティ経営”を推進し、ROIC(投下資本利益率)活用により成長分野へ経営資源を集中する“事業ポートフォリオマネジメント”を強化して、企業価値向上に努めるとしている。2030年の財務的(経済価値)な数値目標としては、海外マーケットでの伸長、養殖事業・ファインケミカル事業の成長と差別化を加速し海外所在地売上高比率50%、売上高1兆円、営業利益500億円を掲げている。

〈2030年度売上高1兆円・営業利益500億円への第一歩、新中計では2024年度売上高7900億円・営業利益320億円を計画〉
2022年度から2024年度の3カ年をターゲットした新しい中期経営計画「Good FoodsRecipe 1」は、2030年度の長期ビジョンを掲げた上で、それを実現するための“もうワンランク上へ行くための変革”「最初のレシピ」として今期より取り組みを開始した。

財務的な目標としては、2024年度に売上高7900億円・営業利益320億円(2021年度見込みは売上高6900億円・営業利益270億円)に加え、事業の稼ぐ力を表すROIC5.5%以上などを掲げる。

その達成に向けては6つの基本戦略、すなわち、
〈1〉サステナビリティ経営への進化
〈2〉グローバル展開加速
〈3〉新規事業・事業協会領域の開拓
〈4〉生産性の革新
〈5〉財務戦略
〈6〉ガバナンス強化
――の面でそれぞれ方針を示している。

なお、投資については新中計期間中に「完成ベース」で1200億円(支払ベースで1100億円)を計画。うち950億円を設備投資など、250億円をM&A枠(海外事業を想定)に充てる。また、そのうち51億円はサステナビリティに関する投資を行うという。

〈冷食日報2022年4月26日付〉