日本アクセス 佐々木淳一社長

日本アクセスの佐々木淳一社長は、5月26日に本社で開催した決算説明会の中で2024年度まで3カ年の第8次中期経営計画(以下、中計)について発表した。

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新中計のスローガンは「構造改革2024〜新たなサービス・価値の創造〜」とし、「成長・競争優位の確立」「収益構造改革」「経営基盤改革」の3つの経営基本方針を掲げる。定量目標としては、最終年度の2024年度、売上高が2021年度比3000億円(14.1%)増2兆4203億円、経常利益同39億円(16.3%増)278億円という数値を挙げた。

佐々木社長は「構造改革と事業変革による成長に向けた積極的な事業・ITインフラ投資、盤石な事業基盤の構築と、新たなサービスと価値を創造、競争優位を確立し、共にお客様のニーズや課題解決、本業を通じて社会的課題を解決することで、持続的な成長実現する3カ年として位置づけ、断トツの食品総合卸企業を目指す」と話した。

3つの経営基本方針、「成長・競争優位の確立」では、消費構造、動向の変化に対応する新たな価値提供、新たなビジネスモデルの確立と収益化を目指す。施策として、既存領域の拡大や、情報卸事業・ECといった新規事業の収益化、商品開発機能強化やカテゴリ戦略の実行、デジタルマーケティング戦略の実行などによる差別化・競争優位の確立、内食・中食・外食のシームレス化に対応した新たなビジネスモデルの構築などによる事業モデルの改革を進める。

「収益構造改革」では、市場・事業環境の変化に対応した高効率な経営基盤(持続可能な収益基盤の構築)および、デジタル技術を活用したビジネスモデル改革を目指し、データ利活用による業務プロセル改善などのDXの推進、効率的な拠点整備などによる最適物流の構築、収支管理強化・経費コントロール徹底などによる経費効率化・コスト削減、新物流システム構築や物流関連設備投資による収益基盤の強化を進める。

「経営基盤改革」では、新たな価値提供と事業変革を下支えする人材・風土改革と意識改革、社会貢献による企業価値の向上を目指す。施策としては、最強の人員基盤をつくる人材・風土改革、ガバナンス強化・現場位主義の経営管理強化・リスク管理体制の整備などによる経営基盤の高度化、フードロス対策・CO2削減、食の安全・安心対策、社会貢献などによるSDGsの取組推進、企業価値向上につながる広報・IR活動の強化を進める。

これらを達成するための重点施策として〈1〉商品開発強化への取組み〈2〉フルライン卸戦略の実行〈3〉チルドプラットフォームの構築〈4〉海外事業のビジネスモデル構築〈5〉Eコマースビジネスの取組拡大〈6〉フローズンマザーセンター構築への取組強化〈7〉物流拠点整備計画の実行〈8〉DX推進〈9〉SDGsへの貢献・取組強化――の9つを挙げている。

また、新中計を推進するため、今年度から組織体制を変更。商品統括・マーケティング管掌下に「商品開発部」を設置し、商品開発機能を差別化戦略の武器とするため、全社横断型の商品開発力を強化。そして、内食・中食・外食のシームレス化に対応するため、業務用市場全体を統括する「業務用管掌」を設置した。ほか、総合企画・ICT管掌下の「DX推進室」、ロジスティクス管掌下の「物流拠点整備推進室」(全体最適の物流拠点制作を企画・立案)、「CVSロジスティクス統括組織」(物流業務改善のノウハウを最大限に活用し、CVSロジスティクスの改善のスピードアップを図る)を設置し、収益基盤改革につなげる。

こうした施策により、今期(2022年度)は売上高が前年比3.8%増2兆2000億円、経常利益4.2%増249億円と増収増益を計画。中計最終年度の2024年度は売上高が2021年度比14.1%増2兆4203億円、経常利益同16.3%増39億円、経常利益率同0.02ポイント増1.15%、純利益同16.0%増189億円と、特に売上高で高い定量目標を掲げる。また、中計期間3カ年での投資は、物流関連投資、システム関連投資、一般・事業投資(M&A)で合計500億円を計画するという。

〈冷食日報2022年5月30日付〉