兵庫県宝塚市の小学校で今月、校内で栽培したジャガイモを家庭科の調理実習で食べた児童が腹痛や吐き気などを訴え、救急搬送されました。ジャガイモのに含まれる有毒物質による食中毒の可能性が指摘されています。子どもにジャガイモを安全に食べさせる時に気を付けるべき点などを東京家政学院大教授で「いも類振興会」理事の林一也さん(55)に聞きました。
写真モヤシのような芽を出したジャガイモ

子どもは大人の10分の1で中毒の恐れ

 ジャガイモの芽に含まれる有毒成分はアルカロイドといいます。腹痛や吐き気、頭痛などの食中毒症状を起こしますが、たいていは軽症で済みます。
 芽には、100グラムあたり200〜400ミリグラムのアルカロイドが含まれています。成人の場合、200〜400ミリグラムで中毒症状を起こします。ただ林さんは「子どもは大人の10分の1、20ミリグラム程度で中毒を起こす危険がある」と呼び掛けます。

芽の茶色い部分、深く広範囲に削り取る

 有毒成分が芽に集まるのは獣類や昆虫などに食べられないようにする防御反応です。林さんは「芽を取れば、食べても大丈夫」と言います。包丁の角の部分などで、芽の茶色い部分が残らないように深く広範囲に削り取りましょう。
 注意するのは芽だけではありません。「緑化した部分にはアルカロイドがいっぱい」と林さん。光に当てると、イモ自体がアルカロイドを作ってしまうからです。

緑色になったジャガイモは食べないで

 緑色になった皮を取り除いても安全ではありません。林さんは「中心部までアルカロイドが浸透している可能性がある」。皮の一部でも緑色なら、林さんは「そのジャガイモは食べないで」とします。
 アルカロイドを100グラムあたり15ミリグラム以上含んだジャガイモを食べると、多くの人がえぐみなどを感じて食べられなくなるそうです。アルカロイドは調理で加熱しても分解しません。
 発芽や緑色化を防ぐには、高温と光を避けること。新聞紙でくるんで遮光し、冷蔵庫で保管すれば、男爵やメークインなら半年、皮が薄くそのまま食べられる新ジャガは1〜2週間は持つそうです。