「魔女の宅急便」の原作者として知られる作家、角野栄子さん(84)の世界観や功績を伝えようと、ゆかりの東京都江戸川区が建設を計画する児童文学館の基本構想がまとまった。区と構想を協議してきた角野さんは11日に区内で記者会見し、「子どもたちが自由に本に接して、わくわくするような施設にしたい」と思いを語った。

記者会見で児童文学館への思いを語る角野栄子さん=江戸川区で


北小岩育ちで区民栄誉賞 お話し会や工作教室も予定

 角野さんは幼少期から20代前半まで、江戸川区北小岩で暮らした。昨年、児童文学のノーベル賞と言われる国際アンデルセン賞を受賞し、今年1月、区民栄誉賞が贈られた。

 基本構想では、子どもたちが本に親しむ場をつくることなどを文学館の目的としている。角野作品だけでなく、国内外で人気の児童文学作品も収集。お話し会や工作教室など体験イベントも開いていく。

角野さんの案を基に描かれたイメージ図(江戸川区提供)


低い本棚、寝そべってもOK 2022年オープンへ

 角野さんの案を基に描かれたイメージ図では、角野さんを象徴するいちご色を基調に、背の低い本棚から子どもたちが自由に本を取り出して楽しめるつくりになっている。会見で角野さんは「寝そべってでもいいし、一人で隠れながらでもいい。大人の押しつけではなくて、思うとおりに本を選んで物語の良さを味わってほしい」と話した。

 「江戸川区角野栄子児童文学館(仮称)」は、広さ約800平方メートルを想定し、自然豊かななぎさ公園(同区南葛西7)の展望の丘に建てる。2022年度後半の開館を目指している。

 斉藤猛区長は会見で「角野さんとは4月から打ち合わせを重ねてきた。全国の子どもたちに発信できる文学館にしていきたい」と語った。

[元記事:東京新聞 TOKYO Web 2019年9月12日]