新型コロナウイルス感染を防ぐ観点から、自治体が保育園などを利用する保護者に対して「登園の自粛」を要請するケースが出ています。東京都小金井市は、市内の保育園の利用世帯に「登園自粛のお願いについて」と題する通知を出しました。このような中で、多くの保護者が気にしているのが「登園自粛中の保育料の扱い」です。東京すくすくにも、登園自粛中や検討中の保護者から、「休んでいる間の保育料の返金はあるのか」という疑問が寄せられています。内閣府が新型コロナウイルス対応についてのページで公開している資料をもとにまとめました。

小金井市が保護者に向けて出した通知「登園の自粛のお願いについて」


「自治体の要請」による場合、日割りで減額

Q 登園自粛をした場合、保育料は返金されたり、減額されたりするのですか?

A 内閣府は、市区町村の要請によって保育園が休園した場合に加え、市区町村からの登園回避の要請によって保育園を欠席した場合、「利用者負担額など」(保育料など)を日割り計算で減額するよう自治体に通知しています。通知は、各都道府県と政令指定都市、中核市に向けて、2月27日、3月4、6、12日に出されています。

※内閣府ホームページ「新型コロナウイルス対応に関する通知・事務連絡等」

Q 「市区町村からの要請」とは、どこに対して、どのように出されるのですか?

A 自治体が保育園などを通して利用者(保護者)に対してお便りのような形で通知を出す場合もあれば、自治体のホームページで掲示しているケースもあります。

在宅の保護者に自宅での養育を要請した場合も

Q 減額されるのは、具体的にはどのようなケースですか?

A 通知では4つ挙げられています。登園自粛は、③④に当たると考えられます。

①子ども等の感染が発覚し、市区町村からの要請・同意により、保育所等の一部または全部を休園した場合

②地域の公衆衛生の観点から、市区町村からの要請・同意により、保育所等の一部または全部を休園した場合

③保育所等は開園しているが、感染、感染の疑い、濃厚接触により一部の子どもに対し、市区町村から登園回避の要請・同意を行った場合

④小中高の全国一斉休業に伴い、保育士の数が少ない中で、小学生の子どもを見るために自宅にいる保護者の園児について、自宅での養育を要請する場合など、市区町村の要請・同意により保育所等に登園しなかった場合

現場は混乱「返金しない」と回答した自治体も

Q 自治体に返金・減額について保護者が問い合わせたところ「返金(減額)はしません」と回答されたケースがありました。自治体ごとに減額する・しないの判断が割れる可能性はありますか?

A 今回の新型コロナウイルス感染症対策における利用者負担額の日割りについては、法令(子ども・子育て支援法施行令第24条第2項)にもとづくものであるため、自治体の裁量で拒否する(日割り減額をしない)ことはできません。

Q 市区町村の要請ではなく、保育園の自主判断による「登園自粛」要請の場合はどうなりますか?

A 内閣府の子ども・子育て本部は「あくまでも保育の義務は市区町村にあるので、保育園を休園するかどうか、自主登園を要請するかどうかの判断は市区町村が行うもの。保育の委託義務も市区町村にあるので、現場(各保育園)の判断で保護者に『登園自粛』をお願いするということがあってはならない」としています。

 ただ、園の判断で保護者に要請したケースでも、市区町村が事後に同意する場合は、日割り対象として認められます。同本部は「実際に保育園の判断による登園自粛の要請が起きてしまっているのであれば、利用者に不利益が生じないように、市区町村が協議し、対応すべきだ」としています。

Q 保護者の自主判断による登園自粛の場合は、どうなりますか?

A 市区町村の要請がない場合には、日割り負担の対象にならない可能性があります。

保護者側の手続きは? 基本的には必要なし

Q 実際に日割り計算での減額を求める場合、保護者はどのような手続きをすることになるのでしょうか。

A 保護者側の手続きは基本的には必要ありません。その月に何日欠席したかという情報は、園が把握しています。自治体が園へ聞き取り調査をし、返金、もしくは翌月の利用料から差し引いて請求するなどの形を取ることになります。

Q 保育料の減額について参考になる資料はありますか?

A 内閣府ホームページに掲載されている下の2つの資料が参考になります。

①保育料の返金・減額について、自治体などから多く寄せられた質問と、それに対する内閣府の回答
【新型コロナウイルス感染症により保育所等が臨時休園等した場合の「利用者負担額」及び「子育てのための施設等利用給付」等の取り扱いについてFAQ】

②臨時休園や登園自粛をした場合の保育料についての、内閣府から各地の自治体への通知(①も含まれます)
【新型コロナウイルス対応に関する通知・事務連絡等】認定こども園・幼稚園・保育所等の利用者負担等について、幼児教育・保育の無償化について

◇3〜5歳児クラスの保育料は原則無料

図解 幼保無償化の仕組み

 昨年10月に幼児教育・保育の無償化がスタートし、幼稚園、保育所、認定こども園などの3〜5歳児クラス、 住民税非課税世帯では0〜2歳児クラスも利用料が無料になりました。ただし対象にならず、保育料を払っている人もいます。