奥山佳恵さんの子育て日記

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彼女と息子と私とで3人デートも。江の島を背景に、手でハートを作ってもらいました!


5歳のころは「私だけのものよ」と…

 冬まっただなかの日本列島ですが、わが息子18歳の長男はただいま春まっさかり。ありがたいことに、推薦入試で大学から合格通知をいただいてサクラが咲きました。さらに彼の季節が進んだのは−。

 彼女ができたから。全身から毛穴から、ハッピーオーラがあふれています。若干宙にも浮いている。サクラが咲いて、彼女ができて、めくるめく春。脳内お花畑です。

 長男がうんと小さな、5歳ごろの夏。上半身ハダカでスヤスヤ眠っている息子の横で添い寝をしながら、大きくなったらこの寝顔をどこぞのオンナが見るかと想像しただけで、「この子は私だけのものよ!」と一人でキーッと嫉妬したものだ。でも、いざ想像が現実となったら、キーッとなるタイミングなんてなかった。彼女がすごくいい子なんです。それに、何より息子がとっても幸せそう。息子を笑顔にしてくれる存在に、目なんて少しもつり上がりません。こんな心境になるんだなー!

グループ脱退、ソロになったみたい

 一気に変わったのは息子との距離感。それまで「家族」の一員だったのが、突然「一人の男子」になった。イメージとしてはグループ脱退。ソロになったのだ。以前本欄で、予防注射を全部終えた母子手帳は、子育ての卒業証書のようだったと書きましたが、彼女ができるとその比ではない。

 心身ともに彼女といっしょ。家で私と過ごす時間なんて皆無に等しい。まるで電気がパチンと消えたみたいに簡単に、スイッチひとつで子育てが終わった。余韻ゼロ。「もうすぐ消えますよー」の予告もなし。

そして分かった、自分の親の気持ち

 突然電気が消され、私の目はまだ慣れないままでいる。ああ、ごはんは4合も炊かなくてよかったのか。牛乳を買う量はもっと少なくていいんだ。恋をしたら、実家なんて見えない。誰しもが通ってくる道で、私にだって記憶がある。ああ、だから、たまに帰る実家ではあんなにはりきって料理を作ってもらえるんだなぁと、今となっては親の気持ちがよく分かる。

 現状は、まだ私が朝起こすし、ごはんも作るし、完全にひとり立ちしたとまでは言えないけれど、彼の心は電気を消して巣立っていった。育った子どもは巣立つもの。私たちはそれを「幸あれ」と手を振るぐらいしかできないのだ。おなかがすいたら、いつでも戻っておいでよ!(女優・タレント)