小学3年生以上も35人学級にすることを求め、インターネット上で署名活動する母親


 公立小学校の1クラスの上限を35人に引き下げる義務教育標準法改正案が今月、国会に提出された。ただ、新年度の小学2年生から段階的に進めるため、対象外となる新3年生以上の保護者から「卒業まで40人学級のまま取り残されてしまう」との指摘が東京新聞に寄せられた。東京都渋谷区のグループが「早急に全学年を35人学級に」と求める署名活動をインターネットで始めた。 

現在は小1の上限35人 小2以上は40人

 「新型コロナウイルスでソーシャルディスタンスが求められているのに」

 そう話すのは、渋谷区で小学2年生の息子を持ち、都知事や区長らに提出する署名への協力を呼び掛ける女性(41)。「元気いっぱいの3年生や体の大きな6年生が狭い教室でぎゅうぎゅうになって授業を受けている姿を想像してほしい」と訴える。

 現行の義務教育標準法は小1のみ上限35人で、小2以上は40人。ただ、小2は教員の追加配置により、東京都など全国の大半の自治体で既に35人学級が実現している。

法改正案 「来年度から小2の上限35人」

 今回の法改正では2021年度に小2を上限35人とし、5年かけて小6まで順次引き下げる。一律引き下げは約40年ぶり。

 ただ、新年度の小3以上は卒業まで対象外。渋谷区のある小学校は2年生が計40人で20人ずつ2クラスの編成だが、新年度に3年生になるとクラスの人数が倍増することになる。

図解 公立小学校の1クラス上限人数

文科省「段階的に進めないと教員不足に」

 文部科学省の初等中等教育局財務課の担当者は「低学年ほどきめ細かな指導が必要。段階的に進めないと教員や教室が足りなくなる」と理解を求め、新小3以上は「自治体の取り組みで少人数の編成にすることは可能」と説明する。都道府県と政令市のうち51自治体が独自の取り組みで小3も1クラス40人を下回る基準にしているという。

 だが、東京都では小3〜小6の上限は40人。都教育庁義務教育課の担当者は「40人はあくまで上限。実際の8割は35人に収まっており、今のところ、40人を下回る基準を設ける予定はない」と説明する。

 渋谷区学務課の担当者も「区独自で基準の引き下げは考えていない」とする。

杉並区は独自に「全学年で35人」実現

 だが、23区でも杉並区は既に小学校全学年で1クラス上限を35人にしており、都が採用した教員だけでなく、区で本年度70人弱を採用している。

 渋谷区の女性らは「新年度から4年間だけ特別に手当てをすれば解決する。緊急事態にこそ、子どもたちのために予算を使ってほしい。少人数になれば先生の負担も減る」と訴える。

 署名サイトは「Change.org」の「2021年度東京都公立小学校3年生以上の子どもたちにも35人学級を実現してください!」。

[元記事:東京新聞 TOKYO Web 2021年2月17日]