プリミエール酒々井の構想から完成までの経緯などについて6年生が学んだ授業=大室台小学校で


 千葉県酒々井町は独自の地域学習プログラム「酒々井学」を通じて、小中学生の主権者意識を育む試みに取り組んでいる。子どもたちに幅広い視点を養ってもらいたいという。

2017年度から小中学校の授業に導入

 酒々井学はふるさとの歴史文化に誇りを持たせようと、2017年度から小中学校の授業に導入した。2校の小学校では、3年生から学び始める。例えば4年生は環境学習で「ホタルの里」、5年生は社会科・総合学習で「印旛沼」について教わる。講師はそれぞれの地域素材に関わっている町役場の職員や商工会のメンバーらが務めている。

 注目は6年生に対する指導。児童たちは夏休み前に行政による街づくり施策を学ぶ。それを元に全員が休み中に地域の生活環境を改善するためのプランをまとめる。9月に最優秀作を各学級の模擬選挙で選ぶ。

 ここで選ばれた学級代表(酒々井小3人、大室台小2人)が10月に開かれる「こども模擬議会」で、酒々井中学校の代表とともに町長、教育長、職員に質問をぶつける。児童生徒の要望が実際の施策に反映されることもある。

代表制民主主義の仕組みとは?

 大室台小で今月8日にあった授業では、図書館と文化ホールの複合施設「プリミエール酒々井」の構想から完成までを、町職員が講義した。1995年度に建設要望が出て、完成は2003年度。建設検討委員会や町議会の動きも説明しながら「税金を使うのだから、できるだけ多くの要望を実現させたい。ただし、酒々井町の全住民を集めて意見を聞くわけにはいかない」と代表制民主主義の仕組みをひもといた。

 今年の同校児童のプランには、SDGs(国連の持続可能な開発目標)と、NIE(教育に新聞を)の考え方を反映させるつもりだ。酒々井学の授業に合わせ、会場となった体育館の壁に新聞の県内版を中心とした切り抜きが張り出された。町外での環境、教育、行政などをテーマ別に取り上げて紹介。町学校教育課主査の一場郁夫さんは「子どもたちには広い視点で物事を考えてほしい」と話した。

 模擬議会に参加する酒々井中学でも、今年から模擬選挙を行い、生徒代表を選ぶことを検討している。

[元記事:東京新聞 TOKYO Web 2021年7月19日]