家族のこと話そう

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教育系ユーチューバーの葉一さん(本人提供)


塾に通えない子のため、授業動画

 僕はYouTubeで子ども向けの授業動画を公開しています。塾講師時代、家庭の事情で塾に通えない子どもたちが、自宅で無料で授業を受けられる仕組みを作りたいと思ったことがきっかけです。

 小学生と保育園児の息子がいて、家でも勉強を教えています。大事にしているのは一緒に学び、考える姿勢。子どもに先生役になってもらい、ホワイトボードを使って解説してもらうこともあります。「先生、なんでこうなるんですか」なんて聞くと、息子は得意げに教えてくれますね。子どもが勉強嫌いになるのは、「できない」「分からない」ことが原因。「できた」という成功体験が生まれることで、子どもは勉強に興味を持つようになります。


子育ては「いつも見守っているよ」

 息子たちには「いつも見守っているよ」というメッセージを伝えることも意識しています。子どもが学童保育で終わらせてきた宿題も内容は必ず確認。「この漢字、うまく書けているね」など、褒めるようにしています。

 時間管理がうまくできる人ほど、人生の幸福度も高くなると思っているので、規則正しい生活も心掛けています。妻は外で働いているので、自宅で仕事をしている僕が午後5時に息子たちを迎えに行き、5時半にお風呂に入れて、9時には寝かせています。子どもたちが大好きなゲームにもルールを設けています。牛乳パックを切り取ってチケットを作り、宿題やお手伝いなどをやったらチケットをあげ、その分だけゲームができる仕組みです。息子や妻はYouTubeにあまり興味がなく、ほとんど見ませんね。

息子たちに「多様性」を伝えたい

 僕には知的、発達障害がある妹がいます。中学時代には、妹の存在を恥ずかしいと思ってしまっていた時もありました。その頃、僕はいじめに遭っていました。妹の面倒を見るため、週末の部活を休まざるを得なかったのが、いじめの理由の1つだったようです。

 母には、いじめに遭っていることを相談できませんでした。母から「妹を守ってね」と言われて頼られていたので、心配をかけたくなかったのです。僕が「学校を休みたい」と言うと、母は何も理由を聞かずに休ませてくれました。「仕事が休みだから一緒にごはんを食べに行こう」なんて、さりげなく誘ってもくれて、気持ちが楽になりました。

 息子たちは、妹がうちに遊びに来ると、突然叫ぶ姿などにびっくりしてしまうようです。でも僕にとって、妹は大切な存在。息子たちには、世の中にはいろんな人がいて、みんな一生懸命生きているということを伝えています。多様性を受け入れる子どもに育ってほしいと願っています。

葉一(はいち)

 1985年、福岡県出身。東京学芸大で教員免許を取得後、塾講師に。2012年にYouTubeチャンネル「とある男が授業をしてみた」を開設し、小学3年〜高校生向け授業動画を投稿。チャンネル登録者数は155万人。著書に「小学生の子がどんどん勉強するようになる 親のすごい声かけ」など。