全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)の調査で、2021年度上半期(4月〜9月)に私立の高校と中学校で一定期間学費を滞納した生徒の割合が、1998年度に調査を開始してから過去最少となった。全国私教連は「国による就学支援金の拡充が寄与した」と評価する一方、新型コロナウイルス禍で保護者の収入が減り、アルバイトせざるを得なくなった生徒も目立つとして、引き続き国や自治体へ支援制度のさらなる充実を求めていく。

コロナ禍理由は1.03ポイント増の6.07%

 回答があった私立高校で3カ月以上学費を滞納した生徒の割合は0.5%(前年度比0.02ポイント減)、6カ月以上滞納は0.14%(0.03ポイント減)で、いずれも過去最少だった。一方、コロナ禍を理由にした滞納が6.07%で、前年度調査より1.03ポイント増えた。

 私立中学校では、3カ月以上の滞納が0.12%(0.01ポイント減)だった。

 国は2020年度、年収590万円未満の世帯の私立高校生に対する就学支援金を、最大約22万円増額して年額39万6000円と大幅に拡充。590万円以上910万円未満の世帯には11万8800円を給付し、2020年度は計約80万人が利用した。2021年度予算では4141億円を計上、自治体独自の就学支援制度もあり、中堅・低収入世帯への支援は以前より手厚くなっている。

「家計困難でバイト」「分割払いが増加」

 一方で、寄せられた回答には「家計困難でアルバイトをする生徒が増えた」「教材費の分割払いの希望者が増加した」といった、コロナ禍の影響を指摘する声が少なくなかったという。また、滞納率では岩手県(1.46%)、岡山県(1.32%)など、13道府県が全国平均を上回り、地域間格差も目立った。

 全国私教連は、給付額を前年度の授業料平均額程度に増額することや、年収制限の緩和による対象者拡大などを国と自治体に求めていく方針。山口直之中央執行委員長は「支援制度の拡充は進んだが、まだ安心して学びに集中できる状況にはない」と指摘した。

 調査では、全国私教連に加盟する学校を中心に、私立高校が34都道府県の347校、私立中学校は23都道府県の170校から回答があった。

[元記事:東京新聞 TOKYO Web 2021年12月18日]