溶かした合金を鋳型に注ぎ込む=柏市で


 千葉県柏市末広町の空きアパートを改修した「手作り科学館Exedra」は、銅鏡の鋳造・研磨体験と香取市の佐原観光を組み合わせた学習プログラムの提供を始めた。科学館は東京大柏の葉キャンパスの研究者、学生らがオープンさせ、運営。館長の羽村太雅さん(35)は「理科と歴史を楽しみながら学んでほしい」と話す。

合金で鏡を作る 光を反射する原理は?

 プログラムは、香取市の街おこしも視野に、市内で不動産業などを営む会社と科学館が共同開発した。香取神宮所蔵の銅鏡「海獣葡萄(ぶどう)鏡」にちなんで、金属の融点降下や鏡が光を反射する原理を子どもたちに教えるとともに、セット販売する宿泊割引券の利用で、香取市に足を運んでもらう狙いだ。

うまく映るかな? 鏡を熱心に磨く子どもたち


 初回の鋳造・研磨体験は科学館で今月4、5日にあり、親子連れらが参加した。鏡はスズとビスマスの合金を使って造る。融点138度で、家庭用調理器具で溶かすことができ、羽村さんは参加者に「銅を溶かすためには高熱が必要です」と説明した。

 鍋で溶かされ液体となった合金は、輪ゴムでくくられた2枚合わせの鋳型に注ぎ込まれる。5分ほど冷まして鋳型を外すと、直径53ミリの金属円盤が姿を見せた。

 金属円盤の一面は、海獣葡萄鏡に模した文様が施され、その裏面を、子どもたちがやすりや研磨剤を染み込ませた布を使って熱心に磨き込んでいった。磨き抜かれた面は光を反射し、鏡として機能するようになる。

香取市の歴史に触れる 平日は宿泊無料

 父親と一緒に参加した柏市の小学5年生郡司航さん(10)は「理科の実験が好きで参加した。ぴかぴかに磨け、爽快だった。顔全体とはいかなかったけど、目や口が鏡に映った」と笑みを浮かべた。

鋳型の中で固まった金属円盤


 羽村さんは「セットの宿泊割引券を使って、江戸時代の天文学者で測量技術者の伊能忠敬の記念館もある、香取市佐原地区の街並みなどを訪れてほしい」という。

 宿泊割引券は佐原商家町ホテルNIPPONIAで小学生以下が利用でき、繁忙期などを除く平日は無料で宿泊できる。体験は予約制で、セット価格は税込み3500円。問い合わせは手作り科学館Exedra=電話080(6520)3302=で受け付けている。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2022年5月16日