子どもたちに屋外で赤白帽をかぶってもらい、帽子内側の温度を調べた実証実験=東京都小平市の武蔵野美術大学で(北徹朗教授提供)


 小学校の体育で使われる「赤白帽(紅白帽)」について、赤色は表面温度が上がり、熱中症の危険が高まるとの研究結果を昨年まとめた武蔵野美術大学の研究者が、屋外で子どもに赤白帽をかぶってもらい、帽子内側の温度を調べる実験を行った。マネキンを使った昨年と同様、白色は温度を低く抑えられることが分かり、この結果をもとに熱中症予防につながる新たな色の帽子を試作する。

5歳児と10歳児が実際にかぶって実験

 赤白帽の温度の研究は武蔵野美術大学大学院博士後期課程2年の服部由季夫さん=星槎大学准教授=が、北徹朗教授(スポーツ産業論)の指導を受けて行い、赤は白に比べて帽子の表面温度が約10度高いとの結果を得た。東京新聞は昨年9月19日付朝刊で「ニュースあなた発」として掲載、東京すくすくでも記事を公開した。

サーモグラフィーで測定した帽子の表面温度の画像。赤の帽子(上)は大半の部分が高温であることを示す緑色や黄色となっているのに対し、白の帽子(下)は比較的低いことを示す青色だ=服部由季夫さん提供


 実験には5歳と10歳の男児2人が参加。本人と保護者の同意を得て、7月3日、10日に武蔵野美大で実施。両日とも実験時間は体育の授業を想定した45分で午前11時に開始。正午の気温は3日32.1度、10日29.5度だった。

 内科医の指導を受けながら10分おきに水分補給し、追いかけっこやサッカーボール蹴り、フライングディスクなどをした。

 3日は5歳児が白帽子、10歳児は赤帽子を着用。開始時の温度は5歳児が25.5度、45分後に36.7度、10歳児はそれぞれ25.7度、40.7度だった。10日は2人の赤白を入れ替え、5歳児が23.3度、39.7度、10歳児23.1度、39.8度だった。気温が高かった3日は、白帽子が赤帽子に比べて4度低かった。

 服部さんは「人での実験はさまざまな因子が関与するので慎重な検討が必要だが、表面温度が体内にも影響を及ぼしているように考えられた。今後もさまざまな視点から検証を試みたい」とコメントした。

「紅白」の文化はあるが…新たな色を

 赤白帽を別の色に改める場合の候補について、北教授らは5月中旬、小学生の保護者500人を対象にWebアンケートを実施した。昨年の研究で表面温度の上昇幅が比較的低かった「黄白帽」と「桃白帽」のどちらが良いか聞いたところ、黄白帽が58%、桃白帽が42%だった。

 北教授は「伝統的に親しまれてきた『紅白』の文化・慣習もある。美大の研究者として従来の赤色を生かしつつ、色の配分や形状などを工夫し、来夏までに試作品を示したい」と話した。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2022年8月7日