「あなたが適任だと思うの」。上司から埼玉県庁の女性活躍について取材を振られた際、ぴんと来なかった。取材を進めるにつれ、合点がいった。大野元裕知事が全職員に発したメッセージ。「共働きでも家事や育児の負担が女性に偏っている」「(父親も)仕事を早く切り上げ、いかに家庭での役割を果たすか」。深くうなずいた。

 振り返れば、昨年出産するまでは遅くまで原稿を書く日もあった。楽しかった。今は保育園のお迎え、夕食介助、翌日の園の準備などを見通し、体力を残しておこうと自然とセーブがかかる。発熱後の急なお迎えや看病で休むのは自分。共働きなのに「なぜ私ばかり?」。

 家庭に事情のある人でも働きやすい職場づくりを目指す女性活躍事業。当事者になって初めて、ありがたみを実感した。

 知事メッセージを夫に読んでもらうも反応は薄く、男性職員に感想を尋ねても「そんなのありましたねえ」。どうしたら響くのか。奮闘は続く。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2022年10月2日