親が10年前に書いた自分宛ての手紙を読む鬼塚大夢さん(左)



クレーンでふたを持ち上げられる丸ポスト=いずれも東京都小平市で



 かつて親が10年後の子どもに宛てた手紙を収めたタイムカプセルが1日、東京都小平市で開封された。手紙は2012年、西武線小平駅近くの高さ2.8メートルの大きな丸ポストに封印された。市制施行60周年に合わせて開封されたこの日、時を超えて手紙を読んだ子どもたちは、親の愛に思いをめぐらせていた。

小平で、母の言葉に「うるっときた」

 丸ポストに収められていたのは、当時小学4年の子どもに向け、親がしたためた手紙39通。クレーンで丸ポストのふたが持ち上げられ、中からカプセルが取り出されると、手紙の多くが直接、集まった子どもたちに手渡された。

 大学2年の鬼塚大夢さん(19)は手紙を開け、子どもの頃の写真を見つけた。親と一緒にしばらく眺めた後、1人で手紙に目を落とした。「当時の自分について『何にでも自由にクリエーティブに取り組んでいてすごい』とあった。大学生の今、進路に迷っているので、すごく響きました」と鬼塚さん。母の「ずっとあなたの味方だよ」という言葉に「うるっときた」と話す。

 10年前、娘に手紙を書いた永井路里絵さん(48)はコピーを大切に保存し、時折読み返してきた。この日、成長した娘に目をやり「あの頃は仕事でなかなか家にいてやれず、寂しい思いをさせた。手紙にはそういう申し訳なさと、それでも笑っていてくれる娘への感謝が書いてあります」。娘のみのりさん(19)は手紙を読み終えると、こう話した。「私は全然寂しくなんてなかった。笑顔は今でも私の取りえ。母の言葉を胸に、これからも頑張っていきたい」

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2022年10月2日