午前7時〜8時に車両通行止めとなっている右側の道路に左折で進入しようとする車=千葉市若葉区の交差点で


 千葉市若葉区若松町の市道交差点で先月8日朝、横断歩道上で児童の登校見守りをしていた男性(67)が乗用車にはねられる事故があった。現場は小学生の通学路で、午前7〜8時の車両通行止め時に起きた。場合によっては、児童が巻き込まれた可能性も十分ある。事故が発生した時間帯に、現場を訪れ取材した。

千葉市若葉区 64歳男性を逮捕

 男性がはねられたのは、午前7時50分ごろ。黄色い旗を手に児童らを渡らせ切った後、再び横断歩道を渡って元の位置に戻ろうとした時だった。右折してきた車のボンネットにのりあげ、道路に投げ出された。腰や背中を強打し病院に運ばれたが、幸い命に別条はなかった。

 千葉東署によると、自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)容疑で逮捕された運転手の男(64)は「気付かずにぶつかってしまった」と供述したという。

通行禁止と知らず「迂回路」に

 事故から1週間たった先月15日朝に現場を訪ねると、はねられた男性は復帰していた。男性によると、事故の後、運転手の男が謝罪に来て「日ごろからこの交差点を通っているわけではなく、いつも使う道路が混雑していたため、迂回(うかい)路として使用した」と話した。この時間帯は通行禁止だと知らなかったという。

 交差点の約400メートル先には市立若松小学校がある。全児童642人のうちの半数が登下校で通る。制限速度は40キロ。信号機が付いている。通行禁止の時間やエリアを知らせる2つの標識が近くにあり、「通学路」を示す黄色い看板も立っている。

実態は「駅への便利な抜け道」

 しかし、見守りボランティアの渡邉覚さんによると、この交差点は普段から朝の交通量が多く、規制がかかる道路はJR都賀駅方面への便利な抜け道になっているのだという。

 実際、取材した日は午前7時からの1時間で、十数台の進入を確認できた。車を止め、取材に応じた運転手は「会社が(この道を使うと)近い。ここ、通っちゃだめなんだよね。今日は警察いないよね?」と、規制は知っている様子だった。一方、初心者マークをつけた車も数台。中には、規制を知らない人もいたのではないか。

通学路の取り締まりは1万件超

 千葉東署によると、通行規制時の走行には、所轄署長の「許可証」が要る。ない場合は交通違反点数と反則金が科される。

 千葉県警交通指導課によると、県内の通学路での通行禁止取り締まり件数は、今年8月末時点で1万3069件(速報値)。前年同期比で3534件の減少とはいえ多すぎる。同課の担当者は「同じ人が抜け道として利用していることが多く、進入が後を絶たないのが実態だ」と嘆いた。

「子どもが犠牲になる前に…」

 はねられた男性は約1年前から週1回、見守り活動を続けてきた。再発防止策として、事故発生現場を示す看板の設置や警察の取り締まり強化を訴える。

 「ここは通行禁止を分かって入ってくる人がほとんど。子どもは背が低く、当たり所が悪ければ死ぬ。子どもが犠牲になる前に、なんとでもやりようはある」

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2022年10月6日