旧結婚式場を活用し来春開校するアメージングカレッジ=いずれも東松山市で


 子どもたちの好奇心から学びを創造することを目指す小学生対象のフリースクール「アメージングカレッジ」が来春、東松山市に開校する。校長は元公立小学校教諭の岩崎千佳さん(41)。在職中に感じたもどかしさを取っ払い、大人が一方的に教えるのではなく「子どもの心の内から湧き上がる問いを探究する」場を目指すという。


オルタナティブ教育 子どもが主体に

 「一般的な公立小学校での教育とは違い(子どもの自発性を重んじる)モンテッソーリ教育のようなオルタナティブ(代替)教育の一つ。ただ、理念に基づくというより、子どもたちが生み出す学校なんです」

 こう力説する岩崎さんは17年間大阪府内で教諭を務め、国立大付属小の副校長だった2016年に社会の課題へ多角的にアプローチする力を養う新教科「未来そうぞう科」を提案。文部科学省の研究開発指定校に選ばれた。

 新教科で無人島を題材にした授業では「実際に無人島で過ごした人に会いたい」という児童の提案を実現。校庭を無人島に見立て、自分たちで火をおこして調理するなどし、主体的に仲間や社会、自然とかかわることを実践的に学んだ。

「子どもたちの学びたいという気持ちを大切にしたい」と話す岩崎千佳さん


校舎は旧結婚式場 使い方を話し合う

 45分間の授業中、じっと前を向くことを子どもに強いる現在の教育システムに違和感を覚えていた岩崎さんは、子どもたちが生き生きとする姿を見て新教科に手応えを感じた。ただ、使えるのは「総合的な学習の時間」など一部のみ。とことん突き詰めるために新しい学校が必要だと考えて退職し、遊び場づくりなどを手がける団体「COLOR-P(カラップ)」(東京都東村山市)とともに、新教科を軸とした学校づくりに乗り出した。

 理念に共感した冠婚葬祭互助会業の「アルファクラブ武蔵野」(さいたま市大宮区)の紹介で、東松山市の旧結婚式場が校舎になった。5月の説明会で集まった子ども35人に施設の使い道を募ると、「会議がしたい」と早速話し合いに入った。「自由過ぎる学校に」「校庭が自然だらけ」などの意見が飛び交い、校名も「アメージング(素晴らしい)な子どもたち」を表すものに決まった。

「無認可校」でも学習指導要領は網羅

 新しい学校は、学校教育法上は無認可校だが、文科省の学習指導要領が定める教育内容は網羅するとうたう。例えば、既に子どもから希望が出ている祭りを実現する過程で準備にかかるお金の計算が必要となり、算数の学習要素を盛り込める。岩崎さんは「子どもの問いから探究に進む中で、大人側がどれだけ学びとの縁つなぎをできるかが試されている」と意気込む。

 来年4月に小学部を開校し、120人を募集。いずれは中学部も開く予定。今月17日に説明会を開き、20日以降、見学会も行う。要申し込み。入学金は30万円、学費は月額4万2000円。詳細はアメージングカレッジの公式サイトで。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2022年11月16日