SUP(スタンダップパドル)とパドルボードのISAイベント、『2022 ISA World SUP and Paddleboard Championships』が10月28日〜11月6日に中米のプエルトリコで開催された。

パンデミックにより2019年を最後に中止されていた今イベントは9回目。
SUPでのレースとサーフィン、パドルボードでのレースと3カテゴリーがあり、レースの中でもスプリント、テクニカル、マラソンのようなロングディスタンスのカテゴリーが用意されていた。

SUPサーフィンはライト・レフト共にあり、多方向のウネリを拾うLa 8が会場。
レース関係はプエルトリコの首都・サン・フアンにあるラグーナ・デル・コンダドとバイア・デ・サンフアンが舞台となった。

SUPサーフィンでは井上兄妹が活躍!

(銀メダル獲得の井上楓)
PHOTO: ISA / Sean Evans

SUPサーフィンではショート、ロング、SUPでプロの三刀流、井上鷹と妹の井上楓、井上桜が出場。
14歳の井上桜は17位でフィニッシュしたが、17歳の井上楓、21歳の井上鷹は見事にメダルを獲得した。

大会6日目に行われたファイナルで井上鷹はイベントを通して唯一エクセレントレンジのヒートトータル16.00を記録したブラジルのルイス・デニス、ディフェンディングチャンピオン、フランスのブノワ・カルペンティエ。2016年の金メダリスト、アメリカのゼーン・シュバイツァーと対戦。
4位でカッパーメダルを獲得した。

(井上楓と鷹)
PHOTO: ISA / Sean Evans

ウィメンズではR3でイベントを通してのトータルスコア15.00、R4でシングルウェーブのベストスコア8.57を出したアルゼンチンのコソレトがファイナルでもパワフルなターンでスコアを重ねて優勝、金メダルを獲得。井上楓は7.00を出して2位で銀メダルを獲得した。
3位にはブラジルのアリン・アディサカ、4位にコロンビアのイザベラ・ゴメスが入った。

井上楓は「兄と一緒に表彰台に上がれて本当に嬉しいです」と話していた。

(井上楓)
PHOTO: ISA / Pablo Franco

(アグレッシブなライドでメダル獲得に成功した井上鷹)
PHOTO: ISA / Pablo Franco

(井上鷹) PHOTO: ISA / Sean Evans

(堀越力もリパチャージ6まで勝ち進み9位でフィニッシュ、総合メダル獲得に貢献)
PHOTO: ISA / Pablo Franco

レースでは日本代表が3つの金メダルを獲得

(堀部結里花)
PHOTO: ISA / Pablo Franco

大会7日目にバイア・デ・サンフアンで行われたSUPとパドルボード(Prone)のレースでは日本代表が3つの金メダルを獲得する大活躍。

まず、18kmのコースで競うパドルボードのプローンディスタンスレースでは2018年の銀メダリスト、スペインのユディット・ベルジェス、日本の堀部結里花の二人が後方に圧倒的なリードで先行。
堀部結里花はラスト300mで僅かにリードを広げた一方、ベルジェスがボードが転落。最後には20秒差で優勝。
見事に金メダルを獲得した。

(家族との感動的な優勝となった堀部結里花)
PHOTO: ISA / Pablo Franco

同じカテゴリーのメンズでは夫の堀部雄大が出場して8位に入っている。
今回は小さな子供も一緒に現地入りしており、優勝直後には感動的な場面も見られた。

また、堀部結里花はテクニカルレースでも活躍、3位で銅メダルを獲得した。

(SUPレース)
PHOTO: ISA / Sean Evans

SUPのディスタンスレースでは日本の荒木珠里が2度の金メダリスト、オーストラリアのマイケル・ブース。2014年の金メダリスト、フランスのティトゥアン・プヨらと争い、プヨに17秒差で優勝。

沖縄出身の16歳、荒木珠里はSUPのテクニカルレースでも金メダルを獲得する快挙を成し遂げた。

(2カテゴリーで金メダル獲得の荒木珠里)
PHOTO: ISA / Sean Evans

(荒木珠里)
PHOTO: ISA / Sean Evans

「本当に信じられないです。とても嬉しいです。ティトゥアン(プヨ)がプッシュしてくれたおかげで、金メダルを取ることができました。小さい頃からティトゥアン、コナー、ノイック、マイケル、ダニエル、カイ・レニー、クラウディオ、アーサー、みんなに憧れていました」と優勝後のインタビューで喜びを話している。

荒木珠里の父はハワイ諸島のモロカイ島からオアフ島まで52kmの海峡を横断する「Molokai 2 Oahu」、通称M2Oに36回も出場。
その姿を側で見ていたこともあり、子供の頃からSUPの世界に入り、まずは2018年、12歳の時にマウイ島からモロカイ島までの45kmレース「Maui to Molokai」に最年少で出場して完漕。
それが認められて13歳でM2Oのフォイル部門に出場を果たし、史上最年少で完漕をしている。

その後、2022年に15歳最年少で世界のプロツアー「APPワールドツアー」に出場し、オーストラリアでのデビュー戦で3位の快挙を達成。
SUPのテクニカルレースは2028年のロス五輪の種目に入ると言われている。

日本代表はジュニアでも2つのメダルを獲得

PHOTO: ISA / Sean Evans

大会8日目、悪天候での難しいレースで日本のジュニアが2つのメダルを獲得した。

SUPのガールズ・テクニカルレースで橘ゆうが4位でカッパーメダルを獲得。
このレースはイタリアの16歳、セシリア・パンピが圧倒的な強さを見せ、スペインのソニア・カイマリに2分以上の大差でゴールしていた。
アメリカのソリン・プレストンが最年少13歳で3位に入っていた。

(銀メダル獲得の島津成彰)
PHOTO: ISA / Sean Evans

(レース終了後、ライバルとハグを交わす島津成彰)
PHOTO: ISA / Pablo Franco

ボーイズ・テクニカルレースでは島津成彰が1周目でブイにリーシュコードが絡まって8位まで順位を落としていたが、見事に巻き返して2位で銀メダルを獲得。
金メダルはフランスのヴァイック・ガリードで、荒れたコンディションの中でも安定。ミスのないペースを保っていた。
3位はアメリカのキャンベル・カーター、4位はスペインのルーカス・シモンチェリ。

日本は国別リレーで銀メダル、総合4位

(リレーで銀メダルを獲得した日本)
PHOTO: ISA / Pablo Franco

最終日に行われた国別リレーは11カ国の選手が男女、SUPとパドルボード、各1名を選出。
1チーム4人一組で行われた。

フランスはSUPのメラニー・ラフネートルが大きなリードを得て金メダルを獲得。
総合でもオーストラリア以来の2度の金メダル獲得となった。

(リレーで出番を待つ選手・緑のキャップが荒木珠里)
PHOTO: ISA / Sean Evans

(リレーは波がある過酷な条件になった)
PHOTO: ISA / Sean Evans

日本はプローンディスタンスレースの金メダリスト、堀部結里花の活躍などで見事に銀メダルを獲得。
これで日本は合計9つのメダルを獲得して総合4位。もう一つのメダルを表彰台で受け取り、10つのメダルを日本に持ち帰ることになった。

「この結果は自分だけでなく、ISA世界選手権に出場してきたすべての日本人選手のおかげだと思います。バトンが渡され、今年は結果を残すことができました。でも、それは今までの選手たちのおかげです。日本ではパドルスポーツはまだまだマイナーです。このスポーツの素晴らしさをみんなに知ってもらいたいし、このメダルをきっかけに国内の認知度が加速することを願っています」と堀部結里花は最後にコメントを残している。

『2022 ISA World SUP and Paddleboard Championships』結果

(総合優勝はフランス)
PHOTO: ISA / Pablo Franco

Men’s SUP Surfing
1位 Luiz Diniz(BRA)
2位 Benoit Carpentier(FRA)
3位 Zane Schweitzer(USA)
4位 井上鷹(JPN)

Women’s SUP Surfing
1位 María Lucia Cosoleto(ARG)
2位 井上楓(JPN)
3位 Aline Adisaka(BRA)
4位 Isabella Gomez(COL)

Men’s SUP Technical Race
1位 荒木珠里(JPN)
2位 Noic Garioud(FRA)
3位 Titouan Puyo(FRA)
4位 Michael Booth(AUS)

Women’s SUP Technical Race
1位 Candice Appleby(USA)
2位 Esperanza Barreras(ESP)
3位 Melanie Lafenetre(FRA)
4位 April Zilg(FRA)

Men’s SUP Sprint Race
1位 Connor Baxter(USA)
2位 Noic Garioud(FRA)
3位 David Leão(BRA)
4位 Christian Andersen(DEN)

Women’s SUP Sprint Race
1位 April Zilg(USA)
2位 Caroline Küntzel(DEN)
3位 Mariecarmen Rivera(PUR)
4位 Cecilia Pampinella(ITA)

Men’s SUP Distance Race
1位 荒木珠里(JPN)
2位 Titouan Puyo(FRA)
3位 Michael Booth(AUS)
4位 Noic Garioud(FRA)

Men’s Prone Distance Race
1位 Hunter Pflueger(USA)
2位 Julen Marticorena(FRA)
3位 David Buil(ESP)
4位 Andrew Byatt(GBR)

Women’s SUP Distance Race
1位 Duna Gordillo(ESP)
2位 Esperanza Barreras(ESP)
3位 Melanie Lafenetre(FRA)
4位 Lina Augaitis(CAN)

Women’s Prone Distance Race
1位 堀部結里花(JPN)
2位 Judit Verges(ESP)
3位 Cornelia Rigatti(ITA)
4位 Liz Hunter (USA)

Mens Prone Technical Race
1位 Hunter Pflueger(USA)
2位 Julen Marticorena(FRA)
3位 Andrew Newton(NZL)
4位 Andrew Byatt(GBR)

Womens Prone Technical Race
1位 Judit Vergés(ESP)
2位 Cornelia Rigatti(ITA)
3位 堀部結里花((JPN)
4位 Rebecca Baron(NZL)

Boys SUP Technical Race
1位 Vaic Garioud(FRA)
2位 島津成彰(JPN)
3位 Campbell Carter(USA)
4位 Lucas Simoncelli(ESP)

Girls SUP Technical Race
1位 Cecilia Pampinella(ITA)
2位 Sonia Caimari(ESP)
3位 Soryn Preston(USA)
4位 橘ゆう(JPN)

Team Relay Race
1位 フランス
2位 日本
3位 スペイン
4位 イタリア

団体総合結果
1位 フランス(14810)
2位 スペイン(13709)
3位 アメリカ(13621)
4位 日本(11843)

ISA公式サイト:https://www.isasurf.org/

(空海)