2023年のCTクオリファイを決めるCS(チャレンジャー・シリーズ)もいよいよ大詰め。

全7戦の内の6戦目となる『Corona Saquarema Pro』がブラジルのサクアレマで開催され、現地時間11月7日に終了した。
サクアレマはブラジルの大都市、リオデジャネイロから東へ73km離れた美しいリゾート地で、会場の「Itauna」はライト、レフト共にあるビーチブレイク。
期間中は風の影響が入り続けてしまったものの、ウネリは十分にあり、ある意味ブラジルらしいワイルドな戦いになっていた。

都筑有夢路が3位でランキング13位に浮上

(都筑有夢路)
PHOTO: © WSL/Daniel Smorigo

今イベントにはアジアリージョナルとして多くの日本人選手が参加。

メンズは早いラウンドで全て姿を消したが、野中美波がRound of 16まで勝ち上がり、今シーズン2度目の9位でフィニッシュ。
そして、CT経験もある都筑有夢路がSFに進出。アリッサ・スペンサー(USA)とのカードで7.23を出してクロスゲームを演じ、3位になった。

ハンティントンビーチでの『VANS US Open of Surfing』でQF進出の5位という結果を上回り、6,085ポイントを得てランキンを5つ上げて13位まで浮上。
2022年のCSは全7戦中の上位4戦のポイントでランキングが決まり、ウィメンズは5位までが2023年CTクオリファイの条件となる。

ガブリエル・メディナが復帰戦を制する

(復帰戦を制したガブリエル)
PHOTO: © WSL/Daniel Smorigo

今イベントは2023年のCTクオリファイ以外にもガブリエル・メディナの怪我からの復帰戦という目玉があった。

ガブリエルは2022年CT後半戦にうつ病との闘いを経て復帰したものの、ブラジル戦のヒートでエアーに失敗して左膝のMCL(内側側副靭帯)を損傷。
僅か3戦のみの出場でCTシーズンを終えていた。

今回は怪我からの復帰後にハードなトレーニングを積んでいた成果が出て、ヒートを重ねる毎に調子が上がり、ミゲル・プーポ(BRA)とのRound of 16では高さのあるフルローテーションをメイクして9.33を出して会場を盛り上げていた。

(得意のトリッキーなエアーも披露したガブリエル)
PHOTO: © WSL/Daniel Smorigo

ファイナルでは2013年のワールドジュニアで戦ったラムジ・ブキアム(MAR)と争い、後半に7.17と6.50を重ねて優勝。
見事に復帰戦を勝利で飾った。

「ラムジは親友なんだ。以前、ファイナルを戦ったこともあるし、尊敬しているよ。彼はハードなトレーニングをしてサーフィンも素晴らしい。彼はCT出場にふさわしいと思うし、そうなると願っているよ。遂にブラジルで優勝するチャンスが巡ってきたことに興奮している。特に今回のような難しいサクアレマでね。それに100%健康であることが嬉しいんだ。ハワイの本番まで一ヶ月、楽しみにしているよ」

(ラムジ・ブキアム)
PHOTO: © WSL/Daniel Smorigo

ガブリエルは12月に控えている新生『Vans Pipe Masters』の招待リストにも入っており、今回の調子を見ると出場の可能性も十分にあるだろう。

なお、2位のラムジは7,800ポイントを得て一気に10もランキングを上げて4位に浮上している。
29歳、東京五輪にも出場してモロッコ人として唯一長年世界のトップクラスで活躍している彼がCT入りを果たせば、大きな話題になることは間違いない。
ちなみに大西洋と地中海に面した北アフリカの国、モロッコは波の宝庫でもある。

(見よ!ギャビーのこのフルレールを!)
PHOTO: © WSL/Daniel Smorigo

アリッサ・スペンサーがCS初優勝でクオリファイに近づく

(CS初優勝のアリッサ・スペンサー)
PHOTO: © WSL/Thiago Diz

ウィメンズサイドはカリフォルニアのカールドバッド出身の19歳、アリッサ・スペンサーがフランスのテッサ・ティッセンとファイナルを戦い、7.17と5.73をスコアして優勝。

CS初優勝で8つランキングを上げて6位に浮上、5位のテレッサ・ボンバロ(PRT)との差も僅かで、最終戦はこの二人を中心とした熾烈な争いが予想される。

「一年を通して浮き沈みが激しかったわ。今年は沢山の試合があったので、安定した成績を残すのは難しかった。特に負けた時に自分を奮い立たせるのは難しいの。でも、今年は努力をしてきたから、それがここで報われて最高の気分ね。ブラジルこのエネルギーが大好きで、その恩恵を受け続けているのよ。とても良い1週間だった。最高の人たちに囲まれていて、本当に幸せ」

(アリッサ・スペンサー)
PHOTO: © WSL/Daniel Smorigo

2023年のCTクオリファイを確定させた新たな3名

(クオリファイなるか?テレッサ・ボンバロ)
PHOTO: © WSL/Thiago Diz

すでにメンズでは和井田理央(IND)、レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)、ライアン・カリナン(AUS)の3名が前回のポルトガル戦で2023年のCTクオリファイを確定させていたが、ブラジルではウィメンズサイドでメイシー・キャラハン(AUS)、モリー・ピックラム(AUS)、ケイトリン・シマーズ(USA)の3名が2023年のCTクオリファイを確定させた。

ウィメンズは残り2枠しかなく、4位のベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)が優勝を含む26,915ポイントで実質はほぼ確定。
5位の1枠をアリッサとテレッサを中心に数名で争うことになりそうだ。

メンズは残り7枠。
ラムジの他、今回上位に入ったジョアン・チアンカ(BRA)、マキシム・フスノット(FRA)、イアン・ジャンティ(HAW)が有力候補として浮上。
その他、リアム・オブライエン(AUS)、エゼキエル・ラウ(HAW)、デュラン・モファット(AUS)が現在クオリファイ圏内に入っている。

ベテランのウィリアン・カルドソが引退

(引退のビーチ凱旋を行なったパンダ)
PHOTO: © WSL/Thiago Diz

今イベントでは2018年、2019年にCTを回り、バリ島での優勝経験もあるウィリアン・カルドソ(BRA)がWSLイベントからの引退を表明した。

その風貌からパンダの相性で多くのファンから愛されていたウィリアン。
引退後は国内サーキットに集中するとのことだ。


CS最終戦の舞台は、すでにシーズンに入っているノースショア。
11月26日〜12月7日に『Haleiwa Challenger』がハレイワで開催される。

CS第6戦『Corona Saquarema Pro』結果
1位 ガブリエル・メディナ(BRA)
2位 ラムジ・ブキアム(MAR)
3位 ジョアン・チアンカ(BRA)、ジョアン・ドゥルー(FRA)
5位 カラニ・ボール(AUS)、フスノット(FRA)、イアン・ジャンティ(HAW)、レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)

ウィメンズ
1位 アリッサ・スペンサー(USA)
2位 テッサ・ティッセン(FRA)
3位 テレッサ・ボンバロ(PRT)、都筑有夢路(JPN)
5位 ブロンテ・マコーレー(AUS)、ヴァヒネ・フィエロ(FRA)、サマー・マセド(BRA)、キーリー・アンドリュー(AUS)

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)