【袴田事件】検察の抗告方針に弁護団が怒りの抗議 審理はさらに長期化か…袴田さん87歳
弁護団・村崎 修 弁護士:
本当に特別抗告なんて、できるわけないでしょう
弁護団・角替 清美 弁護士:
袴田さんを牢屋に連れ戻すんですか、浜松から。そんなことをするんですか、考えてください
みそ漬け実験を担当した支援者・山崎 俊樹さん:
検事という立場で何をするべきか、そのことをあなたたち検察は、真剣に考えるべきです。よもや特別抗告をして袴田さんを死刑にしよう、よくこんなことを言える
袴田さんの弁護団や支援者は、17日午後 東京高検の前で横断幕を広げ、検察の姿勢を強く問いただしました。
57年前、一家4人を殺害したとして死刑判決が確定している袴田巖さんについて、東京高裁は犯行着衣の血痕の鑑定などから「犯人とは認められない」との判断を示し、13日に再審開始決定を出しました。
これに対し東京高検は、最高裁に特別抗告する方向で検討していることが分かりました。
抗告した場合は、裁判をやり直すかどうか、最高裁で再び審理されます。
10日に87歳となった袴田さん。審理はさらに長期化する様相で、姉のひで子さんは「出てもいないのに、コメントしようがございません」と話しています。
検察側の特別抗告の期限は20日です。
◆検察が特別抗告したら今後の審理は?
裁判のやり直しを求めていま行われているのが、第2次再審請求審です。それを申し立てたのは2008年です。
2014年の静岡地裁と今回の東京高裁の2回、「再審開始決定」が出されましたが、やり直しの裁判が始まることはなく、すでに15年が経ちました。
今後 検察側が特別抗告をした場合、ふたたび最高裁で裁判をやり直すかどうか審理されます。
そこで最高裁が再審開始を認めれば、静岡地裁でやり直しの裁判が始まります。
再審を認めなかった場合、弁護団は第3次再審請求を行う方針です。
袴田さんは87歳、姉は90歳。迅速な対応が求められます。