夢を抱いて日本を飛び出した24歳。泣きながらブリスベンを去った33歳。引き寄せられるように舞い戻った36歳。どうしてこの国は、こんなにも私の心を掴んで離さないのだろう……。暮らし旅ライター金子 愛がつづる、美しくも苦いオーストラリアでの日々。第11回は、「シェアハウス探しでショックだった出来事」をご紹介します。


これまでのあらすじ>>>【私のオーストラリア物語】

ブリスベンの家賃事情





2006年、ブリスベンに移住してまず苦労したこと、それはシェアハウス探し。筆者の希望の条件は、「学校のあるシティ中心部から徒歩圏内で、一人部屋」。しかしこれがなかなか厳しい……。というのも家賃がかなりお高いのです。

当時、この条件に合う部屋の相場は週200ドル(約17,000円)。シティから少し離れたサバーブ(郊外)なら、一人部屋が大体週120ドル(約10,000円)なので、この差はかなり大きい (現在と比べれば、それでもかなりお安いのですが……)。


シェアルームという選択肢





すぐにアルバイトが決まる保証もなく、できるだけ家賃は安く収めたいところ。正直120ドルくらいまでが理想。しかしそうなるとシティなら一人部屋は諦め、シェアルームを探すほかありません。




そんな時、たまたま仲良くなった韓国人の女の子が、「知り合いがシェアオーナーをしているから」と紹介してくれることに。いざインスペクション(下見)に行ってみると、驚くほど豪華なアパートメント。ジムとプールが併設され、部屋からの眺めも最高。煌びやかなエントランスはホテルかと思うほど。


ホームパーティに招かれて





素敵な環境に心惹かれるものの、一部屋を二人でシェアという点がやはり引っかかり即決できない筆者。それを見たオーナーが、「週末ちょっとしたパーティをするからおいでよ」と招待してくれました。

パーティ当日、シェアメイトの子達とBBQやゲームをしてすっかり意気投合。初めて多国籍の人達とコミュニケーションが取れたこともうれしく、気がついたら「ぜひ、ここに住ませて下さい!」と申し出ていた筆者。無事入居が決まったのです。


衝撃の展開





楽しい宴もあっという間にお開き。「夜道は危険だから」と、オーナーが滞在先の近くまで送ってくれることに。



しかし、ここでまさかの展開が。大通りのど真ん中、突如筆者の腕を掴み抱き寄せるオーナー。と、次の瞬間ぐんぐん近づいてくる口元。とっさに彼の顔面を右手で思いっきりブロックする筆者。不意打ちで頭が真っ白になりながらも、猛ダッシュでその場から立ち去ったのでした。

一発KO、ノックアウト





翌日、オーナーからこんなメッセージが。「君をうちのシェアハウスに受け入れることはできない。君は失礼で、皆君が嫌いだからだ」といった内容が長々と書かれており、締めくくりは「WE DON’T WANT YOU!!」。

英語だからでしょうか?言葉のパンチ力が半端ありません。読み終えた途端、どっと溢れ出る涙。そこまで言うか!? ここまでストレートに否定されることってなかなかないもので……、ショックで結構落ち込んだのを覚えています。

家探しの教訓





後に聞けばそのオーナーは、「シェアメイトの女性を狙い、思い通りにならなければ追い出す」という事を繰り返していたそう。またインスペクションの際も、女性一人だと危険な目に遭う場合もあるようです。できるだけ男性についてきてもらうか、複数で訪れるのが懸命だと学びました。

開始早々、踏んだり蹴ったりのシェアハウス探し。しかし捨てる神あれば、拾う神あり。この後筆者は、ドリームハウスで暮らすことになります。が、それは又別のお話。

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