今年も残すところあと1か月あまりとなり新年を迎える準備を始めている方もいると思います。そのひとつに「年賀状」があります。年賀はがきの発行枚数が減少するなか、変わりゆく年賀状事情を取材しました。
年賀状を書くコツは…
11月4日、仙台市内で行われた絵手紙教室。個性あふれる年賀状づくりに役立ててもらおうと開かれました。参加したのはおよそ40人。果物や野菜などの絵を筆で描きメッセージを添えて年賀状を仕上げました。

参加者:
「もう少し上手く書きたかったけど、色具合とか光沢とかそういうのが(難しい)」
年賀状を書くコツは何でしょうか。

講師 早坂睦子さん:
「相手のことを思いながら、心を込めて書けば大丈夫」
毎年800枚の年賀状を送る達人とは…
仙台市内で50年以上化粧品店などを営む平賀ノブさん(88)。毎年、店の客や友人などに800枚ほど年賀状を送っていて今年も、仕事の合間に準備を進めています。

hiraga 平賀ノブさん:
「やっぱり手書きが入っていると読むでしょ。いまパソコンの時代だから。まして出さない人が多いなかで(年賀状が)来たらうれしいでしょう」
書く枚数は多いものの相手のことを思い浮かべながら1枚1枚丁寧にメッセージを記していきます。

平賀ノブさん:
「心が伝わると思うんですよね。手書きが一言でも入っていれば、読んでもらえる。私自身もそうですから」
年賀状に対する街の声は…
仙台市内で、年賀状について聞いてみると…。

街の声:
「(年賀状を)出します。親戚が20人くらい、友達会社関係で50人くらい」
「100枚くらい。普段あまり交流がない方でも、1年に1回、通じることができるかなと思います」
「来たら返すだけで、自分からはもう送っていないです。面倒だから。いまはもうラインとかで『あけおめ』って言えばそれで済んじゃうので」
「出す予定はないです。そもそも年賀状出しているのに、会っていない人とかがコロナの時期で増えたので、会っていないのに出すのはどうなんだろうとなって」
郵便料金の値上げで、年賀状も…
また、なかにはこんな意見も。
「はがきの値段はちょっと痛いですよね。2,3枚ならいいですけど、100枚となるとね」

来年用の年賀はがきは、10月の郵便料金の値上げにより無地のもので、63円から85円と22円、値上がりしました。1994年には50円で販売されていてこの30年間で30円以上値上がりしていることになります。

発行枚数は年々減少していて来年用は全国で10億7000万枚と前の年より3億万枚以上少なくなっています。
昔の年賀はがき販売開始日はすごかった
1973年の年賀はがきの販売開始の日の様子です。

郵便局前には1500人もの人が長い列を作り、なかには編み物をしながら販売開始を待つ人も。箱でまとめて購入する人の姿が目立ちます。

今年の年賀はがきの購入の様子を見てもその違いは一目瞭然です。

こうした変化に手紙文化に詳しい専門家は。
手紙文化振興協会 むらかみかずこ代表理事:
「コミュニケーションのツールが多様化した。ラインとかメールとかで十分なんじゃないかなって、人の心はそっちのほうに動いている」
年賀状は「贈り物」だ、手間がかかる分「相手を思う時間が…」
手紙の書き方の講師を育成する手紙文化振興協会のむらかみかずこ代表理事は「年賀状は『贈り物』だ」といい、準備する時間は相手を思うことにつながると話します。

手紙文化振興協会 むらかみかずこ代表理事:
「ラインだったら指先だけ、スタンプひとつで過ぎてしまうこと。だけど(年賀状は)手間がかかる、そこで相手を思う時間が必ずそこで生まれる。いろんな記憶がよみがえり、懐かしさや胸のときめきのようなものが、書く時によみがえる。その時間が大事」

また、どの世代にとっても年賀状を書くことは感情が動くプラスの体験になるといいます。
手紙文化振興協会 むらかみかずこ代表理事:
「年賀状ってお正月の一つの風物詩的な(存在)。年賀状って懐かしいな、いいなと。まだそういう感覚が残っていると思う。ただ、子どもたちとか、年賀状だけじゃない、はがきや手紙を書いたことがない、もらったこともない感情の動き、うれしいとか、年賀状の書き方を調べて送ってみたっていう体験とか、それは必ずプラスになる」

親しい人に1年の感謝を伝えたり、普段会えない人に自分の近況を報告したりする年賀状。相手に思いを届ける文化はこれからも時代とともに変わっていくのかもしれません。
手紙文化振興協会のむらかみかずこ代表理事によりますと「年賀状を出す・出さないは個人の自由。出したくても出せない年もあるなど都合や事情があるため強要するべきものでもない。お互いに思いやりを持って考えることが大切」と話していました。


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