仙台出身の映画監督が制作したアニメ作品が16日から公開されます。コロナ禍をきっかけに独学で取り組み始めたアニメ制作。新進気鋭の映画監督が目指すものとは。

映画「無名の人生」。仙台の団地に暮らす孤独な少年が、アイドルを目指すことから始まる100年の物語です。

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本名ではない、いくつもの名前で呼ばれた主人公の波乱に満ちた生涯を描きながら、芸能界のスキャンダルや社会問題にも切り込んだこの作品。手がけたのは、仙台市出身の鈴木竜也監督(30)です。今月9日、ラジオに出演するためtbcを訪れました。

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「無名の人生」監督 鈴木竜也さん:
「絵を描く部分に関してはずっと楽しくて楽しんでずっとやってたんですけど、せりふを考えるのがちょっと大変だったなと思います」

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鈴木さんは原案から監督、編集まで作品制作のほぼすべてを1人でこなし、およそ1年半をかけて映画「無名の人生」を作りあげました。

「無名の人生」監督 鈴木竜也さん:
「アニメを作り始めたのがそもそも1人だったので、それがどんどん尺だけ伸びていったっていう感じで。自分で全部やりたいと思ってやったわけでもないっていうか」

バー店長時代に店のiPadでアニメ制作

山形県の大学を卒業後、実写映画の監督を目指しながら新宿・歌舞伎町のオイスターバーで店長をしていた鈴木さん。転機となったのは、新型コロナの流行でした。

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「無名の人生」監督 鈴木竜也さん:
「お店が休みになったので、それでちょうどiPadで、お店の電子決済用のやつで。実写志望ではあったんですけど、お金がかからないという理由でアニメに変えました」(※その後iPadは店に返却)


独学で取り組み始めたアニメ制作。自宅でタブレットを使い生み出した短編作品は国内の数々の映画祭で賞賛され、おととし、宮城県芸術選奨で新人賞を受賞しました。

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そして、満を持して取り組んだのが「長編アニメ制作」でした。

作品のアイデアは歌舞伎町、そして仙台

家族の支えを受けながら自宅で、たった一人での作業。脚本づくりのためのメモがこんなところにも。

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「無名の人生」監督 鈴木竜也さん:
「メモ書き的なのがいっぱい、実家のカレンダーの裏とかに。これお母さん床屋とか書いてある。8月はすごい飲みに行ってますね。8月僕けっこうサボってるな」

増子華子キャスター:
「出かけるときちゃんと書くんですね」

「無名の人生」監督 鈴木竜也さん:
「お母さんに書いといてってよくいわれるので。こういうのをホワイトボードの代わりに。ちょこちょこ展開は」

作品の中には監督にゆかりがある歌舞伎町の景色や地元、仙台の風景も登場します。

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「無名の人生」監督 鈴木竜也さん:
「これは近所、地元の鶴ケ谷です。この近くに住んでた時期もあって。幼稚園の頃にこの辺の団地に住んでて、それから一軒家になったんですけどよく使ってましたね」

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鈴木さんはアニメに限らず、映画の魅力についてこう語ります。

「無名の人生」監督 鈴木竜也さん:
「いろんな人の人生、いろんな種類の人生を見られる、入り込める。僕が生きてるその時間とはまったく別の時間が暗闇で映画館で流れているのがすごくロマンがある」

1年半、向き合い続けてきた作品がいよいよ公開となります。

先行上映会でファンからは「好評」

今月10日に仙台の映画館で行われた先行上映会は満席。訪れた人たちの熱は冷めやらず、急きょサイン会が開かれました。

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ファン:
「1月から今まで60本ぐらい映画を見てきたんですけど一番好きです」

「無名の人生」監督 鈴木竜也さん:
「それはめちゃめちゃうれしいです」


作品を鑑賞した人:
「展開が読めない中にもすごく強く日常を感じるところがあって、これから人生どう生きていくかなとか、世の中どうなってしまうのかなとか考えさせられる映画でした」

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作品を鑑賞した人:
「監督と同じ大学にこの春から通っていて、楽しみながら1年かけて作品を作ったという話をきいて憧れになった」

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いよいよ公開、初の長編アニメ映画「無名の人生」に込めた鈴木監督の思いとは?

映画好きな人が好きなやつ」をうち壊したくて

「無名の人生」監督 鈴木竜也さん:
「カットとカットの間で、省略された時間とかを想像しながら見るのが映画の楽しみの一つだと思うので、そういうことを感じながら、『これ映画好きな人が好きなやつね』、というのをうち壊したくて全員見る映画にしたかったので、ぜひ」

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仙台出身、鈴木竜也監督の長編デビュー作。映画「無名の人生」は、16日から仙台など全国の映画館で公開されています。