1978年に宮城県沖地震が起きたことを受け、県は毎年6月12日を「みやぎ県民防災の日」と定め、災害への備えを呼びかけています。災害が発生しライフラインがストップしたとき生活を支えるのが非常食などの「備蓄品」です。自宅で避難生活を送る場合、何日分の食料をどのくらいの分量、確保しておけば良いのでしょうか。

災害時は、停電や断水、道路の寸断などにより数日間ライフラインがストップする恐れがあります。このため、国は非常食や飲料水の備蓄について「最低3日間」必要と呼びかけています。さらに大規模災害に対しては「1週間程度」の備蓄が必要だと説明しています。2011年3月11日の東日本大震災を経験した仙台市も「7日間を目安」に備蓄品を用意するよう地域防災計画に定めているといいます。

これらのことから自宅で避難生活をする際には「1週間程度」の備蓄があれば安心できると言えそうです。では、いったい「1週間程度の備蓄品」とは、何をどのぐらいの量、用意すれば良いのでしょうか。詳しく見ていきます。
「1週間分の備蓄」何を用意すれば?
農林水産省が作成している「災害時に備えた食品ストックガイド」では、水は1日あたり1人3リットル必要と紹介しています。これは飲料水だけでなく調理に使う水も含まれます。4人家族の場合、3リットル×4人分で1日12リットルが必要。7日分用意すると、84リットルに上ります。2リットルのペットボトルに換算すると42本とかなりの量です。さらに、水だけで生活するわけにはいきませんので、非常食の備蓄も必要となります。

前述した農林水産省のガイドブックでは、主食として「パックご飯や乾麺」主菜や副菜として「魚や肉の缶詰」「カレーや丼などのレトルト食品」「インスタント味噌汁や即席スープ」などを紹介。ほかに、「干タケノコ」や「漬物」といった伝統的な保存食も備蓄品になると紹介しています。これらに加え、カセットコロンロやカセットボンベ、鍋・やかんなどがあるとさらに安心です。こうした水や食料を、4人家族が1週間分備蓄する場合、いったいどのぐらいの量になるのでしょうか。

仙台市が作成している「家族4人の1週間分の食料品と備蓄方法について」というチラシには1週間分の非常食について実例を紹介しています。

【水】2リットルのペットボトル42本、【ご飯】48個、【レトルト食品】計28個、【味噌汁】32個、【缶詰おかず】52個、【お茶(ティパック)】28個、【フルーツ缶詰】24個、【パン(缶詰など)】16個、【ふりかけ】8個、【コーンスープ】8個など。
簡易トイレなど衛生用品も
チラシでは、4人家族1週間分の非常食を購入する場合、総額3万円程度(カセットコンロ・ボンベは除く)になると説明しています。ただし、担当職員によりますと、このチラシは「5年以上前から使っている」ため、ここ数年の物価高は反映されていない金額となります。さらに、自宅で避難生活を送る際は、水や食料だけでなく簡易トイレなどの衛生用品も必要となります。

2011年3月11日の東日本大震災や2024年1月1日の能登半島地震では「トイレ事情」が課題となりました。内閣府の防災情報によりますと、成人の1日の平均排泄回数は1人あたり5回といわれています。これを1週間分用意する場合、1人35回分が必要です。4人家族だと35回分×4人で140回分が必要となる計算です。簡易トイレはホームセンターやインターネット販売などで購入することができます。ほかにも、トイレットペーパーやマスク、生理用品など、家庭によっては紙おむつやおしりふきなど、必要な備蓄品は多岐に渡ります。

こうして、基本的な備蓄品を書き並べていくと、一から全て用意する場合、とにかく手間とお金がかかることがわかります。その一方で、個人の備蓄品に対する公的な補助金はほとんどないのが現状です。

例えば、山形県遊佐町では、個人が用意する防災備蓄品について独自に補助制度を設けています。2万円以上6万円以下の費用のうち2分1を補助する制度で上限額は3万です。町長がマニフェストに実現を掲げていたことに加え、去年7月の豪雨災害を踏まえ導入を決めたということです。これは町独自の取り組みのため、全国的には、自宅の備蓄品については「自費」が基本となります。
「ローリングストック」とは?
こうした中、国などが呼びかけているのが「ローリングストック」という方法です。備蓄品(ストック)を循環(ローリング)させていくという考え方です。普段から食べている缶詰などをいつもより多めに買い足して備蓄しながら、消費期限が近いものから順番に日常生活に回して消費していく、その後、足りない物を補っていくという方法です。また、冷蔵庫や食品庫にもともと用意してある食料品も災害時には非常食となります。

一方、災害時に開設される指定避難所にも備蓄品が用意してあります。ただし、避難所の備蓄品は最低限の数量しか用意されていないため、大勢の人が詰めかけた際はすぐに底をついてしまう恐れもあります。仙台市は「在宅避難のススメ」というパンフレットを作成していて、必要とする人が安心して利用できるよう、災害時でも自宅に危険や不安がない場合は、そのまま自宅にとどまり生活を続けるよう呼びかけています。

ここまで紹介した備蓄品は、国や自治体が紹介している一例です。「みやぎ県民防災の日」をきっかけに、自宅にどの程度の備蓄品があるのか、何を買い足せば良いのか、考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。また、緊急時に備えた集合場所や連絡手段などを家族間で話し合っておくことも大切です。


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