障害がある人らに不妊手術を強制した旧優生保護法を巡り、宮城県内の女性2人が国に賠償を求めた裁判の控訴審判決が6月1日、言い渡されます。原告の一人で16歳のときに不妊手術を強制された女性は「優生手術に夢を全て奪われた」と判決で訴えが認められることを願っています。

原告の1人で70代の飯塚淳子さん(仮名)。16歳の時、知的障害だと決めつけられ、何も知らされないまま不妊手術をされました。今は、県内で1人で暮らしています。

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原告 飯塚淳子さん(仮名):
「障害者だからって手術すること自体がおかしな話。(Q 手術されていなかったら)幸せがあったと思います。嫁いだけれど優生保護の話をしたら夫は出ていきました。やっぱりうらやましいなって。私も子どもがいて孫がいて幸せな家庭があったと思う」

飯塚淳子さん(仮名)

不妊手術の根拠となった法令が旧優生保護法。2018年、飯塚さんら原告の女性2人は、旧優生保護法による不妊手術の強制は憲法違反などとして国に総額7150万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こしました。

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しかし、仙台地裁は2019年、旧優生保護法は違憲との判断を示す一方、20年で損害賠償請求権が消滅する「除斥期間」を理由に請求を棄却。

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飯塚さんらは控訴しました。

原告 飯塚淳子さん(仮名):
「早く裁判が終わるように、みんなのこと、自分のこと思いながら。苦しみは一緒だから」

5月15日、飯塚さんは控訴審判決を前に記者会見のため東京に向かいました。一審判決から既に4年、早期解決を訴えました。

原告 飯塚淳子さん(仮名)の会見:
「優生手術は私から幸せな結婚や子どもというささやかな夢を全て奪いました。私たち被害者はみんな高齢化し亡くなってしまう人も出ています。私も体調が悪く病院に通っています。このまま闇に葬られるようなことがあってはならないです。国の責任は明かなのですから、国として全ての被害者について早期に全面的な解決ができるような対策を取っていただくよう求めます」

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判決は、仙台高裁で6月1日午後3時に言い渡されます。

旧優生保護法を巡っては、飯塚さんらの提訴を契機に全国で同様の訴訟が起こされ、去年2月、大阪高裁が国に対し初めて賠償を命じてからは、全国で原告側の勝訴が続いています。仙台高裁がどのような判断を示すのか注目されます。