合唱や管弦楽、舞踊などが一体となり、故郷・石巻の発展を願う声楽曲、カンタータの公演が、宮城県石巻市で行なわれました。1973年から、10年ごとに披露されてきたこのカンタータ、第1回から出演を続ける男性の思いとは。

10年ごとに公演「大いなる故郷 石巻」

朗読:
「故郷の新しい夜明けの歌声が近づいている。さあ石巻の新しい誕生です」「♪石巻港に」「♪えーいえーいどっとこらしょ」

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カンタータ、「大いなる故郷(ふるさと)石巻」。5月28日、石巻市で披露されました。独唱、合唱、管弦楽、舞踊、朗読。およそ300人の出演者が一体となり、港町、石巻の歴史や先人の足跡をたどり、大いなる故郷のさらなる発展を願う作品です。

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このカンタータ、初めて披露されたのはちょうど半世紀前の1973年。当時の石巻市の市政施行40周年を記念し、4つの楽章からなる楽曲がつくられました。

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以降、10年ごとに公演が行なわれ、今回が6回目です。合唱メンバーの1人、新田昭夫さん89歳。石巻市内の中学校などで音楽教師として働き、市民合唱団に所属していた縁で、第1回から欠かさず参加しています。

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新田昭夫さん:
「これは最高の曲だなという感じで参加をした。参加しないとおかしいでしょ。石巻市民として参加するのが当たり前」

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こうして迎えた本番。故郷を讃える壮大な楽曲がホールいっぱいに響き渡ります。合唱のベースを担当した新田さん。仲間とともに力強く歌い続けます。

新田さんら:
「♪限りなき未来をこめて、このすばらしい文化を守る」

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先人への感謝、未来への思い・・・。

新田さん生涯現役「私の生きがいですから」

東日本大震災の後は、復興への願いも込められてきました。そしてクライマックス。新田さん、半世紀分の思いを込め、堂々と歌い上げました。

新田さんら:
「♪みんなみんな幸せに、大いなる故郷石巻を讃えよう」

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観客:
「50年前振り、初演以来、見ました。とても素晴らしくて感動しました」
「想像していた以上に多くの人がかかわっていて、10年分の思いをすごく感じました」

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新田昭夫さん:
「これが一番幸せ、歌う演奏する者として、最高。(来年)90歳なので(次回公演の)10年後どうしよう。声が出る限り歌い続けていきたいと思うし、私の生きがいですから」

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89歳の新田さん。音楽の活動はまだまだ続けるつもりです。

新田さんは、このカンタータのクライマックスとなる「大いなる故郷 石巻を讃えよう」を繰り返す部分が、「毎回、感極まる」と話していて、この石巻の「音楽財産」を永遠に続けてほしいと願っていました。

また、新田さんは石巻市民合唱団のメンバーとして60年以上活動していて、「生涯現役」を強調していました。