北日本はグッと秋が深まってきましたが、南の海上はまだ夏。フィリピン付近からグアムなどがあるマリアナ諸島付近には、熱帯低気圧や発達した積乱雲が多数発生しています。まだまだ台風シーズン。10月は強い勢力で上陸することが多いため、今後も動向に注意が必要です。

南の海上 積乱雲が発達

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きょう6日は、北海道の旭岳で初冠雪を観測。北日本ではグッと秋が深まってきましたが、南の海上はまだ、海面水温が30℃くらいと高く、積乱雲が発達しやすい状況が続いています。6日午前9時現在、南シナ海には熱帯低気圧(台風のたまご)がありますが、今後も大陸方面へ西進するため日本に影響はない見込みです。もう一つ、グアムなどがあるマリアナ諸島付近に低圧部(周囲より気圧が低く、低気圧循環はあるが、その中心がはっきりしない熱帯擾乱)があります。この低圧部で渦が巻くと熱帯低気圧(台風のたまご)となり、さらに発達すると台風になります。グアム島近海は海面水温が30℃と高いため、今後、発達する可能性もあるため動向に注意が必要です。
今年の台風は、10月5日までに16個発生、3個が上陸しています。平年の発生数は25個くらいなので、あと10個くらい発生してもおかしくない状況です。10月も台風シーズンが続くため、まだまだ油断は禁物です。

10月は強い勢力で上陸することが多い

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過去20年(2001年〜2020年)、台風の上陸数は63個。内35個が強い勢力以上で(最大風速33メートル以上)上陸していて、10月は全て強い勢力となっています。

強い勢力になる理由

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【理由その①】海面水温は夏より秋の方が高い
台風は海面から蒸発する水蒸気をエネルギーに発達します。海面水温が高くなると、水蒸気が多量に供給されるため発達しやすくなります。水は熱しにくく冷めにくいため、気温のピークより遅れて高くなります。日本近海の海面水温は夏よりも秋の方が高い事が多いです。今年は沖縄周辺海域で9月の海面水温が、解析値のある1982年以降、最も高い値を観測したと沖縄気象台が10月1日に発表。現在も、沖縄付近の海面水温30℃近くあり、台風が発達しやすい状況が続いているため注意が必要です。
【理由その②】スピードが速い
秋は上空の強い風(偏西風)が日本付近に南下。台風は日本付近に近づくと、偏西風に乗り加速。台風が加速すると台風を押し流す風と台風自身の風が合わさり進行方向の右側で特に強くなります。結果、強い勢力のまま上陸しやすくなるためです。

10月に発生した台風災害

おととし2019年10月は、台風19号が伊豆半島に上陸後、関東を通過。1都12県に大雨特別警報が発表され、甚大な被害をもたらしたのは記憶に新しいです。
過去には、世界で一番中心気圧が下がった記録を持つ台風が10月に発生しています。1979年台風20号は、10月6日にトラック島近海で発生、沖ノ鳥島近海で中心気圧870hPaを記録(ハリケーンやサイクロンを含めて史上最低気圧)、10月19日に和歌山県白浜町付近に上陸(過去6番目に遅い上陸)後、本州を時速95kmと猛スピードで駆け抜け暴風などの被害をもたらした。
台風シーズンは9月というイメージがありますが、10月もまだまだ油断禁物です。ちなみに、上陸が最も遅い記録は1990年11月30日。
当面は、南の海上の発達した積乱雲群に注意が必要です。