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気象台発表の情報によると、北陸地方は1月を中心に寒気の影響を受けやすいでしょう。今冬も万全の雪対策をして下さい。

気象台発表の3カ月予報

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11月22日、新潟地方気象台より、福井・石川・富山・新潟の4県を対象とした「北陸地方の向こう3か月の天候の見通し」が発表されました。そのポイントは「1月を中心に冬型の気圧配置となりやすく、寒気の影響を受けやすい」ということです。

現在ラニーニャ現象が続き、今後、冬の半ばにかけてラニーニャ現象が続く可能性が高くなっています。上空の偏西風は日本付近で南に蛇行しやすく、北陸地方は寒気の影響を受けやすい見込みです。12月は当初予想よりも寒気の南下が遅れ、前半を中心に季節の歩みはスローペースとなりそうですが、その後は1月にかけて、季節は順調に進みそうです。

ラニーニャ現象発生年は気温は低く降雪量は多い傾向

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北陸4地点の福井・金沢・富山・高田の冬の実況(12月〜翌2月)を、1952年度〜2021年度までの過去70年に関して、エルニーニョ現象発生年、平常年、ラニーニャ現象発生年毎に分類し、それぞれのカテゴリー毎に平均降雪量と平均気温を計算しました。

降雪量はJPCZの動向にも大きく左右されますが、4地点ともに、ラニーニャ現象発生年の気温は最も低く、降雪量は最も多くなりました。この結果、一般論としては「ラニーニャ現象発生時の気温は低く降雪量は多い傾向」に間違いはなさそうです。

単年度毎に実況をみると 最多降雪量の1位はまさかの平常年 更にトップ5にはエルニーニョ年 ワースト5にはラニーニャ年も

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ラニーニャ現象発生年の冬は平均的には気温は低く、降雪量は多い傾向と言えそうです。

それでは単年度でみるとどうでしょうか?
北陸4地点の福井・金沢・富山・高田(新潟)の最多降雪量のランキングを見ると、1位は4地点全てにおいて'80年度(56豪雪)や'85年度など、エルニーニョ現象やラニーニャ現象も発生していないまさかの「平常年」でした。

更に特筆すべきは、4地点全てにおいて最多降雪量のトップ5に'76年度のエルニーニョ年が含まれていました。これは、負の北極振動が、暖冬傾向となりやすいエルニーニョ現象の効果を打ち消すように強まったことが一因で、寒冬多雪になったと考えられます。

次に最多降雪量のワースト5の状況を見てみましょう。
ここで注目すべきは、4地点ともに'88年度のラニーニャ年が含まれていることです。これは、正の北極振動が、寒冬傾向となりやすいラニーニャ現象の効果を打ち消すように強まったことが一因で、暖冬少雪になったと考えられます。

従って、あまり早期の段階から「ラニーニャで寒冬多雪」の文言だけが独り歩きするのは望ましくなく、一般論だけで冬の見込みを語っても、あまり有益な情報には成り得ないということもありそうです。

エルニーニョやラニーニャだけでは説明出来ない「寒冬多雪」や「暖冬少雪」 '76年度と'88年度の顕著な実例 北極振動の正(負)の強化が一因か?

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北半球における'76年度と'88年度の年末年始(12/27〜翌1/5)について、500hpaの高度と平年偏差の状況を見てみましょう。

左側は'76年度の年末年始の状況です。日本付近は寒色系の領域で気圧が低くエルニーニョ現象下であっても北極圏から寒気が流れ込みやすく気温が低い領域に対応しています。この期間(10日間)の北陸4地点の福井・金沢・富山・高田(新潟)の合計降雪量は810センチにも達し、大雪となりました。

一方、右側の'88年度の年末年始は、日本付近は暖色系の領域で気圧が高くラニーニャ現象下であっても北極圏からの寒気が流れ込みにくく気温が高い領域に対応していることがおわかり頂けるでしょう。この期間(10日間)の北陸4地点の福井・金沢・富山・高田(新潟)の合計降雪量はわずか13センチにとどまり記録的な少雪となりました。

暖冬少雪や寒冬多雪をエルニーニョ現象やラニーニャ現象だけで説明出来ない顕著な実例がここに示されています。

北極振動のメカニズムについては十分に解明されておらず、今回発表の最新の3か月予報においても、十分に考慮できていません。従って、「ラニーニャで寒冬多雪」は総論では賛成ですが、各論でも賛成とは手放しでは言えず、寒気流入の動向については今後も注意深く見ていく必要があります。

目先の寒気流入の状況

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当初の予想では、平野部で降雪となる北陸上空約1500メートルの氷点下6度以下の寒気が南下するのは、11月末と予想されていました。

ただ、最新の資料によると、12月にずれ込む可能性が高くなってきました。また、昨日21日には、新潟地方気象台からは、北陸地方に高温に関する早期天候情報が発表され、向こう2週間の気温は、寒気の影響を受けにくいため高い日が多く、26日頃からはかなり高くなる予想が発表されました。

12月は、冬型となる日はあっても、一時的であまり長続きはせず前半を中心に顕著な寒気の流れ込みがない可能性も出てきています。

季節予報のような長期予報は、予報期間が長くなるにつれて予測の不確実さが大きくなっていきます。更に北極振動のように、予測時に十分考慮できていないものもあります。今夏の梅雨の期間は、9月の確定値の発表で大幅に修正され、「統計史上初の6月の梅雨明けと過去2番目に短い梅雨は幻に」なったことは皆さまの記憶に新しいでしょう。従って、寒気の動向は、気象台から発表される1か月予報や最新の天気予報を今後もこまめに確認するようにして下さい。